おおばんぶるまい と おうばんぶるまい ・・・ なるほどね

お椀にご飯を山のように盛って、さあ心置きなくと客をもてなす――かつて、こういう供応を「椀飯振る舞い」と呼び、これが転じて「大盤振る舞い」になった。
と、今日の日経の春秋欄にありました。

岩波書店広辞苑「大盤(おおばん)振舞」を引くと、「椀飯(おうばん)振舞」を見よと。

で、「椀飯振舞」を見ると、江戸時代、民間で一家の主人が正月などに親類縁者を招きご馳走をふるまったこと。転じて一般に、盛大な饗応。「大盤振舞」は当て字。
と、ありました。


「大盤振舞」の語源、知りませんでした。



春秋(10/22)  お椀(わん)にご飯を山のように盛って、さあ心置きなくと客をもてなす――。かつて、こういう供応を「椀飯(おうばん)振る舞い」と呼び、これが転じて「大盤振る舞い」になったという。あれこれ考えぬ気前のよさが「大盤」なる言葉にこもっている。

▼太っ腹の上司でもいないとそんな幸運は巡ってきそうにない。ところが政府・与党が打ち出す定額減税は昨今珍しい大盤振る舞いの趣がある。とにかく総額は2兆円。4人家族だとざっと6万5000円が戻ってくるという案も検討中らしい。そのカネで大いにモノを買ってもらい、景気に刺激をという作戦のようだ。

▼6万5000円入ったら何に使おうか。さっそく思案する家庭があるかもしれない。近場の温泉旅行なら足りそうだ、ちょっと贅沢(ぜいたく)な外食を、いやゲーム機を、ハンドバッグを……。などと迷った末に、やっぱり「貯金」という人は少なくないだろう。先の読めないこのご時世である。財布のひもはなかなか緩まない。

▼せっかくの大盤振る舞いではあるけれど、もっと効き目を見定めてもいいだろう。2兆円も費やすなら別の使い道が浮かびそうだし、そもそも財源は大丈夫かと心配になる。さあ心置きなく、どんどん召し上がってくださいと椀盛りのご飯でもてなされても、何だか居心地が悪くて箸(はし)が動かない。そんな気もする。