電池の進化と日本の技術

昔の電池、といっても今でもありとあらゆる所で使われているのが1.5ボルトのマンガン電池です。

直列に2個つないでも電圧が3ボルトということで、9ボルトの6p電池が出来ました。

その後、寿命の長いアルカリ電池や水銀電池、充電のできるニカド電池や小型のボタン電池、そして最新のリチウムイオン電池に至るまで新しい電池は更にどんどん進化しています。

パナソニックはノートパソコンが電源なしで長時間使用できる高濃度メタノールを燃料として、それをボトルで持ち運べるようにした世界最小の燃料電池を開発したそうです。

現在ノートパソコンに使われているリチウムイオン電池パックとほぼ同じ大きさの燃料電池は高濃度メタノール50ccで約5時間駆動するといいます。

そうかと思えば、出光興産はリチウムイオン電池に使用されている電解液を硫化リチウムを主成分とする粉末にした全固体電池を開発しました。

従来の蓄電池は電解液を使用しているために容量アップの妨げになっていましたが、全固体電池は液体を使わないため原理的には高容量化できます。

電気自動車の普及には1回の充電で500km走れる安い電池が不可欠で、国の試算では現在のリチウムイオン電池よりも容量性能で7倍、コストを40分の1に下げる必要がありますが、全固体電池なら可能性があるそうです。

また太陽電池の開発・普及も世界で加速し競争が激化しつつあります。日本は技術の蓄積があるというもののその製造拠点は、かつて汎用半導体が途上国に次々と移ったのと似ていると言われています。

従ってこの分野でも発電効率の向上や新しい原理に基づく次世代型の開発が不可欠で、政府も開発計画を拡充しているようです。

米IBMも従来のシリコンを原料に作る高コストのものから銅やインジウムをインクのように塗るだけで太陽電池を作る新手法を国際会議で発表し、これにより生産コストが下がると言われています。そしてその薄い塗布技術を担うのは日本のメーカーです。

更に三洋電機も普通の太陽電池よりも発電効率が高い独自構造のHIT太陽電池を開発し実用化に向けて改善策を練っているところです。

世界に負けない進化した新しい電池が、今日本でどんどん開発されています。


このように電池1つとっても世界より一歩も二歩も高いレベルの技術力がある日本です。

世界金融恐慌をものともせず、日本の底力を駆使して電池だけではなく、ありとあらゆる分野において世界をリードしてもらいたいものです。





一部日本経済新聞の記事から参照