不信の連鎖 世界で2000兆円の目減り

昨日は忙しい月末を迎えて、早朝目を覚ますと・・・・。

これはなんということでしょう。 アメリカがえらいことになっています。


とうとうアメリカが、いや世界が破綻する日が来たのでしょうか?

大手銀行から大手証券会社、大手保険会社まで破綻や身売り、統合再編と、アメリカのサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)に端を発した金融不安は、ここへ来て一気に世界の金融マーケットを大恐慌寸前にまで追い込みました。

今、アメリカでは銀行や証券会社、保険会社が保有する住宅ローン関連の金融商品が値下がりし不良債権と化しています。

それを補うためにお金を借りたいのに、貸し手がいない状況が続いているのです。

これを放置すれば金融機関だけでなく、企業から家計まで深刻な影響が及びます。そして、アメリカから世界にばらまかれた不良債権は、今やアメリカの問題だけではなく世界経済が危機を招くことになります。

そこでブッシュ大統領は、公的資金を7000億ドル(約75兆円)投入して米金融機関が保有する不良債権を買い取り、財務内容を健全にして金融の安定化を図ろうとしました。

これが米金融安定化法案です。


米政府・議会は共和党民主党の幹部が話し合ってまとめた法案なので議会は問題なく通過するであろうとタカを括っていましたが、29日の下院採決では賛成205票に対し、反対228票で否決されてしまいました。

民主党ペロシ下院議長が採決直前に「金融危機はブッシュの政策失敗のコスト」と演説したことや、11月の下院選挙を目前に控えて激戦区の議員が反対票を投じたためのようです。

「結果的にはウオール街を税金で救うだけでローンに苦しむ借り手の保護が不十分」と冷ややかな見方をしている国民に対して、支持者を失うことを怖れた国会議員の姿がそこにあります。

日本でもアメリカでもどこでも一緒、先ずは自分が可愛いのですね。

この結果、世界中で史上最大の株価の大暴落を招き、ニューヨーク市場では777ドル安と終値最大の下げとなり、日本も類に洩れず東証終値は483円安(下げ幅一時582円)となり、世界中が金融大恐慌の入り口に立たされました。

今回下院で否決されたその差は僅か23票ですから、12人が賛成に回れば下院におけるこの法案は成立します。米政府・議会は早急なる修正協議をして修正法案の早期可決を目指して世界恐慌を回避してもらいたいものです。