「中国の正しいイメージ」 とは?

開会式で革命歌曲「歌唱祖国」を歌ったお下げ髪の林妙可(Lin Miaoke)ちゃん(9)可愛かったですねぇ。 それに玉を転がすような歌声は見ている人を魅了しました。メディアは、大舞台の緊張をものともせず笑顔で歌う妙可ちゃんを「微笑の天使」と絶賛しました。

ところが、ところが・・・。
これがなんと、口パクだったんだって。 (@o@)





開会式の音楽総監督の陳其鋼氏がラジオ局のインタビューで、実際に歌ったのは楊沛宜(Yang Peiyi)ちゃん(7)だったことを明らかにしました。

沛宜ちゃんは丸顔で歯並びがあまりよくなかったため、中国の正しいイメージを表現していないとして、中国共産党の最高レベルの幹部が置き換えを命じたそうです。




陳氏は「対外的な印象を考えた。国家利益のためだ」と説明していますが、中国のウェブサイトの掲示板でも議論が沸騰しており、「すべての人々の感情をもてあそんだ」などと批判の声も多いですが「国家利益のためならいいだろう」との容認論もあるようです。

中国政府は13日、報道管制を敷いて、中国国内のインターネットサイト上からこの問題を取り上げた記事をすべて削除しました。13日の紙面でこの問題を取り上げた新聞は1つもなく、また、国営放送局も同問題を話題にしませんでした。




でも、中国政府のいう「中国の正しいイメージ」って何なんでしょう? 陳氏のいう「国家利益」とは何なんでしょう? 中国を世界に売り込むためには偽装をも辞さないということなんでしょうか?

この妙可ちゃんに罪はありません。すべて大人に仕組まれてこうなったのですから・・。でも、この子が大きくなった時に、この子の人生はこの日のことがストレスになり、PTSDなど心身に支障を来すようなことにならなければいいがと心配します。






昨日は、開会式で打ち上げられた29個の「足跡」の花火が、最後の鳥の巣の真上で打ち上げられた1つを除いてすべてコンピュータグラフィックを使った「合成映像」だったことを大会関係者が認めたばかりです。

AP通信は「見た目を気にする中国が完璧な五輪を作ろうとした例のひとつ」であり「中国の完璧さの追求は子供をも巻き込んだ」と批判しています。


国の威信をかけた開会式だからこそ「偽装」でかためたのでしょうが、他の国では考えられません。もうモラルも何もありませんね。

まだこれからも新たな偽装が発覚するのでしょうか?





写真提供
1:中国国際放送 - CRI=開幕式演唱《歌唱祖国》的可愛小女孩―林妙可
2:中国中央電視台テレビ番組より(AP)=北京五輪開会式で流れた歌声の主、楊沛宜ちゃん
3:中国国際放送 - CRI=可愛小女孩―林妙可
4:新華社/アフロ=開会式会場の国家体育場上空に打ち上がった「足跡」の花火