ギョーザ中毒事件、中国国内でも・・・

今年1月、中国天洋食品の冷凍ギョーザによる中毒事件が日本で起こりました。

この時、兵庫県警と千葉県警は薬物指紋(薬品などの成分の特徴)で検出された農薬メタミドホスには不純物が混在しており、日本で試薬などで使われているものとは異なることが判明したとして、「日本で混入された可能性は極めて低い」との見解を発表しました。一方中国側も「中国国内での混入の可能性は極めて低い」と反論、日中双方の見解が対立したまま半年が過ぎました。

しかしどう考えても、密封されたギョーザの袋の内部からメタミドホスが検出され、薬物指紋も日本のものと異なるとなれば、この時点で非はどちらにあるか明白でしょう。それを判っていながらもイチャモンつける中国は矢張り先進国との差が歴然としています。

そして、半年経った今ごろになってこのギョーザ問題は新たな展開を見せ始めました。


私はこういう話はあまりスキではありませんが、この理不尽な中国の国策的な偽装に対しては、食の安全という観点からも一言言わざるを得ません。

6月中旬に天洋食品が回収して保管している冷凍ギョーザを食べた複数の中国人が中毒症状を訴え、メタミドホスが検出されたことが明らかになりました。

しかし、この時点で中国側からの発表はなく、現地メディアも箝口令が敷かれたのか一切報道されておらず、何人がどんな症状であったのかは不明のままです。

その後、洞爺湖サミットが開催される前の7月初旬に、やっと中国側から日本政府に公式に連絡が入りましたが、これが中国での混入を決定づける大事な情報であるにもかかわらず、今度は外務省が首相官邸や警察当局の一部の関係者にのみ伝えただけで公表はされませんでした。

今回このことが公になったのも一部メディアの報道からで、中国側が報道機関からの問い合わせに応える形で6日の朝に公式見解を示しまたことによります。日本政府は当初情報を入手してから1ヶ月もの間だんまりを決めこみ(これを隠蔽と言います)、中国側がメディアへの説明をした後にやっと重い口を開きましたが、それも福田首相は「捜査は進行中だと理解して欲しい」と述べるにとどまり言葉を濁しました。

日本で中毒被害が発生した事件だけに、政府の後手後手の対応には、何が「安心実現内閣」かと憤りさえ感じます。今回も、もしメディアによる報道がなく、中国側が見解を述べていなければ、まだまだ政府は隠蔽し続けていたことでしょう。日本は中国になにを気遣って遠慮しているのでしょうか?7月初旬の時はサミット直前だったからですか?そして昨日は北京五輪が8日から始まるからですか?

それにしても問題があって流通を止め保管していたはずの製品であるのに、なぜ、どういう経路で、どのくらいの量が外部に流れ出したのか、また、中国は未解決事件の証拠品の管理がどうしてこんなにずさんなのか、また押収品(?)でもある製品に対してその拘束力がどうしてこんなにあまいのか、暮らしの中で最も大事な食の安全という観点からも大いに気になるところです。