バイオ燃料増産自粛の要望

洞爺湖サミットなどでバイオ燃料増産の自粛を各国に働きかける」

神戸市はこんな要望書を国に提出しようとしています。こうした要望は自治体としては全国でも初めてのようです。(神戸新聞

バイオ燃料の有効性は否定出来ないとした上で、食糧価格が高騰し飢餓に苦しむ国々があるからと記事にありました。

確かに今の食糧の流通には異常さを感じますね。

食糧品のバイオ燃料へのシフトに加えて、インド、中国の人口増と生活レベルの向上によりかつての食糧輸出国が輸入国へと変わり、オーストラリアの干ばつなど異常気象による食物の不作などが、なお一層拍車を掛けています。

原油の価格はサウジやクェートなど産油国がいくら増産しても、投機筋の介入で焼け石に水状態です。

しかし、アメリカの経済学者だったか経済評論家だったか忘れましたが、過去に日本のバブル景気の崩壊などを予測した著名なエコノミストが、原油価格はもう一段上げた後、来年から再来年にかけて従来の値上がりする前のレベルまで暴落すると話しているのをつい最近耳にしました。

バイオ燃料も石油に変わる画期的な開発ではありますが、食糧問題にまで影響を与えることまでは想定されていなかったのが現状で、将来投機筋が引いた後に原油が以前のレベルまで下がるようなことにでもなったら、バイオ燃料の行き先には不安も残りますし、現時点においてはまだまだ問題山積というところでしょうか。

また、現在のバイオ燃料の原料が食糧の転用だから問題があるのだとして、あらたに食糧以外の植物からの生産も模索しているようですが、本来食糧を生産するべき農地自体を転用するということにおいては、食糧畑が無くなることに違いはないわけですから直接の解決にはなりませんよね。

果たしてこんな状況のもと、食糧の需給関係を乱してまでバイオ燃料を推進してもいいのでしょうか?先のことはともかく、今現実に食糧危機にあえぐ人たちが世界中にいることを考えると、少なくとも神戸市の要望は国レベルで世界に訴えるべきでしょうね。