ふたつの愛

連続テレビドラマ 「瞳」

二十歳になったばかりの若い娘が、ある日3人の里親になるお話しです。

ヒップホップダンサーを目指す主人公の瞳(栄倉奈々)は、母親(飯島直子)と二人で北海道で暮らしていましたが、祖母の葬儀のため母親とともに東京へ出てきます。

祖母のいなくなった家では祖父、勝太郎(西田敏行)が3人の子の里親を続けられない危機に陥ります。そんな勝太郎を見るに見かねて瞳は一人東京に残り、勝太郎の里子養育支援の補助員として、3人の子供たちの里親となる覚悟を決め、東京の月島界隈の下町の人情味溢れる人たちに見守られながら一喜一憂するお話しです。




ある日、瞳はダンス仲間と4人で遊園地の着ぐるみショーに出演します。

その遊園地に明(吉武怜朗)の同級生の奈緒子(大後寿々花)がひとりベンチにたたずみ涙していたのを目撃したのです。その遊園地、そのベンチこそが、明が父親に捨てられた場所だったのです。

過去を打ち明けられた奈緒子は、明の捨てられた遊園地に一人行き、明のその時の気持ちを知ろうとしていたのでした。

その翌日、奈緒子は家を訪ねてきて、明に遊園地に行ったことを告げ、一緒に遊園地に行って本当のお父さんのことを思い出そうと言いますが、「お節介なことをするな! 僕には月島のお父さんしかいないんだ!出て行け!」と明は怒り出します。




奈緒子が父と別れた遊園地に行ったことに腹を立て、明の気持ちは暴走します。家を飛び出す明、そして追いかける瞳……。走り疲れ、やっと感情が落ち着いた明に、瞳は女の子として奈緒子の気持ちを代弁します。

二人が帰るのを勝太郎と将太(中村咲哉)、友梨亜(森迫永依)たちは食事をせずに待っていました。

家族全員で食卓を囲んだ後、明の心の動揺を抑えようと勝太郎はある一編の詩を子どもたちのために朗読します。




その詩に感動しました。

涙が出てきます。

ビデオに撮ってその詩を書き写しました。是非読んでみてください。



 . . . . . . . . . . 「二つの愛」


あるところに 二人の女の人がいました

お互いのことを 全く知らない二人です

一人を あなたは覚えていません

もう一人を あなたは「お母さん」と呼んでいます

その二人のいることは 他の誰ともちがう

 . . . . . . . あなたらしさにつながっています




一人は お星さまのように あなたを優しく見守り
もう一人は お日さまのように あなたを温かく包みます

一人は あなたをお腹の中で育み 産みました
もう一人は あなたと一緒に 生きてきました

一人は あなたに愛を求める 力を与え
もう一人は あなたをどんな時も 愛しています

一人は あなたをその国の人にし
もう一人は 名前をつけてくれました

一人は あなたに生まれ持った 才能を与え
もう一人は その才能を伸ばして 夢を持たせてくれました

一人は あなたに喜びや悲しみを感じる 力を与え
もう一人は 不安でいっぱいのあなたを 安心させてくれました

一人は あなたの生まれたばっかりの 可愛い微笑みをいつも想い
もう一人は あなたの悲しみを 包み込んでくれました




一人は あなたと別れました・・・

 . . . . . . . それがあなたのためにできる 精一杯の愛でした

もう一人は あなたに逢いたくて 一生懸命祈り

 . . . . . . . 神様は迷わず引き合わせてくれました

そして今あなたは ずっと気になっていたことを

 . . . . . . . 目に涙を浮かべながら聞きます・・・

産んだお母さん、育てているお母さん、どっちが本当のお母さん?




我が子よ、どちらもあなたのお母さんなのよ・・・

あなたには 二人のお母さんから

 . . . . . . . それぞれの愛が そそがれているの