今どきの画像診断

昔は体の中の状態を診るには、外からはレントゲン写真しかありませんでしたね。

後はメスで切って開いて診る・・・。

それが、最近では、MRI、 CT、 エコー、 マンモグラフィ内視鏡、 カテーテル、 カプセルカメラ等、画像による診断や手術が多くの病院で取り入れられ、著しい進化があります。

頭蓋骨で覆われた脳は腫瘍ができると閉ざされた空間で圧迫されるため、手足のしびれや麻痺、言語障害などを引き起こします。

MRI(磁気共鳴画像装置)や、CTコ(ンピュータ断層撮影装置)で手術前に腫瘍の状況が把握され、それにより脳の機能を出来る限り残して手術をすることができ、今では損傷が少なくなり障害を出すこともなく、的確に腫瘍を摘出することが可能になりました。

循環器における内視鏡や、カテーテルによる手術では開腹をすることなく腫瘍を切除したり、患者に負担をかけることなく詰まった血管を拡幅する手術ができるようになりました。

産婦人科ではエコー(超音波画像装置)で男女の性別を見分けるのは朝飯前、胎児の染色体異常までわかるといいます。

これ《NT(=後頭部浮腫、後頭部肥厚)検査》には検査する医師側に十分な知識がない場合もあり、また妊婦への対応もまちまちな医療現場の実情を踏まえ、更にはNTの所見があっても健康な赤ちゃんが生まれるケースもあることから確定診断ではないとし、「こうした検査があることを産婦人科医が積極的に妊婦に情報提供をする義務はない」という指針が示されました。

結果的には中絶による「命の選別」につながりかねないとの懸念がある同検査に一定の歯止めをかけたことになりますが、NT検査の倫理的な是非はともかく、妊婦に過剰な不安を与えることにもなりかねませんから、これはこれでいいのかもしれませんね。

ただ、医師が意図しなくてもNTのむくみが見つかる場合もあり、こうしたケースでは「情報提供の希望の有無が確認できていない妊婦には慎重に対応する」とし、個々の医師の判断に委ねるそうです。

この胎児の染色体異常については、これまでは羊水検査という方法があり、技術的に出生前診断が可能でした。ただしこの検査には流産の危険があり、ダウン症の発生頻度を考えると、少なくとも35歳未満では流産の危険の方が大きいため行うべきではないとも言われているようです。


こちらも婦人科のお話になりますが・・・

40歳以上の女性は2年に一度はマンモと視触診による乳ガン検診を受けるよう勧めている厚労省ですが、このマンモグラフィ(乳房X線撮影)では画像から異常の有無を判定する「読影」に医師二人で行うことになっています。

最近の産婦人科における医師不足に各病院から産科、婦人科が無くなる現象が続いており深刻な社会問題となってきておりますが、そんな中、マンモ画像を遠隔診断し専門医が読影するという厚労省の支援モデル事業が動き出しています。

既に昨年11月から鹿児島でモデルケースとしてシステムの本格運用が始まっており、依頼病院から専用回線で送られてくる月約300人分の検診画像を支援病院が診断して所見をつけて返信しているといいます。

支援病院と5施設程度の依頼病院でデータ送受信用のサーバや高精細モニター、専用回線を引くと1グループで約1億円掛かると言い、メーカーが異なると画像が送れなかったり、収益が確保できるかなど、いろいろ課題はあるようですが、この厚労省の支援事業が全国的にどんどん広がっていけば、離れた過疎地に住む女性たちにとっては朗報であるかもしれませんね。