大和路ポタリング ? 〜西の京
?からの続き
慈光院を出た頃より、またまたお天気は急速に悪くなり遠く西の空は夕焼けしているものの大粒の雨で全く身動きがとれず、途中のスーパーの軒下でしばし休憩を余儀なくされました。
BD-1は、折りたたみ自転車のなかでも、折りたたみ、組み立てがとても簡単で重量も10kgと軽いのですが、軽量化のためスタンドや泥よけカバーなどがついていません。
ですから、雨が上がっても、道路が濡れていると、タイヤからハネあがった泥水は背中の上まで飛んでくることになります。ウソつき天気予報になんとも憂鬱さを隠しきれません。
ひとしきり降って雨も上がったので、泥水を撥ね上げながら又走り出しました。もう背中はハネで泥だらけです。
次の目的地は薬師寺です。
外は大分暗くなってきています。拝観時間は何時まででしょう?
4時だと間に合いません。 心配しながら走って到着した時はちょうど4時半でした。
閉門は5時と聞いてホッとしたのですが、受付で聞くと小一時間はたっぷりとかかるとのこと。
それでも真っ先に一番遠い平山郁夫画伯の絵のある西院壁画殿を目指し、大急ぎでそれを見た後、講堂、金堂と戻ってくればギリギリ見られないことはないかもしれないと言ってくれました。
早速ダッシュです。
金堂、講堂は通り道なので、そそくさと一応は眺めてから壁画のある玄奘三蔵院伽藍を目指しました。
この「大唐西域壁画」は、唐の長安からシルクロードを通ってインド・ナンダーラまでの玄奘三蔵の苦難の道のり7場面を13隻の壁画に描いた平山画伯の集大成とも言える作品で2000年12月31日に完成したものです。
ラピズラリー色に覆われた天井画にも中央に散華、右に月、左に太陽が描かれています。
そして5時ぴったりに各建物の扉はすべて閉ざされました。
境内の帰り道、さっきまで修学旅行生たちが大勢いて賑わっていた講堂も金堂もすべて閉じられ、人っ子1人おりません。どうやら私たちが最後のようです。
先に金堂、講堂をざっとではありましたが観ておいて良かったです。
中門を抜け、南門の横の通用門から外へ出ました。
薬師寺を離れ自転車道に戻ったころには、あたりはかなり暮れなずみ、自転車道から見た東塔、西塔には灯りが入っていました。
出発時には、うまく行けば唐招提寺まで行きつけるかなと思っておりましたが、残念ながら途中で雨に祟(たた)られ、薬師寺までも急ぎ足で拝観するハメになってしまいました。
このあたりの秋篠川沿いの西の京自転車道は、法隆寺近辺とは違い、とても快適でこの道を走らないと損をすると思うほどによく整備されており、素晴らしい自転車道が延々と続いています。
最後には完全に陽も落ちて、外灯のない自転車道をランプを点してひたすら近鉄大和西大寺駅まで走りました。
6時少し前には大和西大寺駅に到着し、JR法隆寺駅を起点とした大和路の散策も無事終わりました。
この日の自転車総走行距離は23kmでした。