尿路結石を防ぐには 〜膠原病の友人と尿路結石〜

難病の指定を受けている友人がいます。

病名は膠原(こうげん)病です。女性に多い病気ですが、男性も罹ります。



丁度4年前の夏、感覚がなくなるほど手足が冷えて、町医者に診てもらったら冷え性で血のめぐりが悪くなっているので温めなさいといわれました。

それから半年後、総合病院でこれは単なる冷え性ではなくレイノー膠原病の疑いがあると診断されました。

レイノー症→レイノー博士が発見した病気で、冷気や冷水などによって手や足が白くなり、温めると紫色に変色、やがてもとに戻りますが、そのさい冷感やしびれ、痛みを感じます。実際に細胞が壊死するようなことはなく、生命の危険もありません。およそ5割が膠原病を原因として起きています。なかでも多いのが全身性強皮症で、この病気の患者の約90%にレイノー症状がみられ、全身性エリテマトーデスの約40%、慢性関節リウマチや皮膚筋炎などでもレイノー症状がみられます。
その後、強皮症と診断され、シェーグレン症候群と間質性肺炎(肺繊維症)を合併、膠原病の難病指定を受けました。

 「何の因果で、よりによってこんなややこしい病気にかかってしまったんだろう?」

彼の口癖でした。

ステロイド剤の投与を受けながら、CRP数値の上下に一喜一憂し、入院も二度ほど繰り返しましたが、最近は寝込むこともなく、毎日必ず1〜2時間のウオーキングをするなどいたって元気な生活を送っています。
 CRP数値→CRP(C反応性蛋白)は、急性炎症反応の発生後、約2〜3時間で急激に上昇する蛋白質です。このため、炎症の早期診断や組織の破壊を調べる目的で測定され、感染症膠原病、外傷、悪性腫瘍などの診断や経過観察などに利用されます。
先日、定期的な検査の中で尿潜血が確認され、検査の結果対症療法で使用しているステロイド剤の弊害で尿路結石に罹り、尿管に9mmの石があることが判明して衝撃波結石破砕手術を受けました。

彼からの手術当日のメールの一節です。

 泌尿器科で一番べっぴんで可愛い看護婦に座薬を尻から入れられて・・・」

こんな事が言えているうちは大丈夫です。(笑)


たまたま、今日の日経プラス1の「医食同源」のコーナーに尿路結石の記事が掲載されていました。

この記事を彼に読んでもらいたく、ここにコピペいたします。


尿路結石を防ぐには

 尿路結石は腎臓結石ともいわれるが、結石は腎臓ばかりでなく、尿の流れる道全体にできる。すなわち、尿を作る腎臓から、それに続く尿管、膀胱(ぼうこう)、尿道にかけてである。結石は腎臓にあるときは痛みはないが、いったん尿管にでると、耐え切れないほどの激しい痛みが腹部や背中に起こる。

 結石の主な成分は、カルシウム系のもので、尿中のシュウ酸とカルシウムが結合してでき、これは尿路結石の約80%をしめるという。他に痛風の原因になる尿酸でできる結石もある。尿路結石を起こす人は、数十年前に比べて、約二倍に増え、その原因は食生活の欧米化によると考えられている。

 その予防だが、ほうれん草にはシュウ酸が多いので、とりすぎると結石ができやすいといわれていたが、大食しないかぎりその心配はなく、それよりも、日頃カルシウムをしっかりとった方がよい。その理由はカルシウムをとると腸内でシュウ酸と結合し、便として排せつしてしまうために結石になりにくいからである。

 しかし、脂肪のとりすぎはよくない。腸内に脂肪酸が増え、これがカルシウムと結合してしまう。そのためシュウ酸が腸内でカルシウムと結合できなくなり、あまったシュウ酸が腎臓でカルシウムと結び付き、シュウ酸カルシウムができやすくなるからだ。

 肉や魚を多くとると尿が酸性になり尿酸結石ができやすくなるので、野菜や海藻、果物などのアルカリ性食品を十分にとる。尿が濃縮されると結石ができやすくなるので、日頃水分をしっかりとるのも大切。

 . . . . . . . . . . . . . . . (新宿医院院長 新居裕久)
 . . . . . . . . . . . . . . . . 日経 プラス1 医食同源(2007.9.29)より