陋屋 〜切り取りました ?

我が陋屋(ろうおく)は3階建てで4階部分にペントハウスと屋上テラスがあります。
築後十数年経ちますので、モノも増えてなかなか写真に切り取る事も難しいのですが、差し障りのないところで、一部工夫をした場所や、こだわりの部分、それにお気に入りの演出の小ものたちを不連続シリーズで掲載致します。




我が陋屋は、1階と2階にそれぞれ玄関があります。

建物の中は、階段でつながっています。

1階は和風で、2階は洋風です。

こちらは1階の和風造りの方です。

玄関ドアを開けると、そこはバリアフリーの世界です。



バリアフリーは外の市道から続いています。

表の道路から車椅子を引いていても内側にも外側にも開閉できて自動で定位置にもどる門扉を通り、玄関に至るまで連続したスロープになっています。

玄関ドアを開けてもドアサッシと三和土(たたき)に段差はありません。

サッシ枠の外側だけは1cm下げてあります。これは外からの水の侵入を防ぐためで、これだけは仕方がありません。


当然、玄関の三和土(たたき)と、あがり框(かまち)も段差はゼロです。

強いて言えば、玄関マットの分厚い段通に躓(つまづ)くぐらいが関の山です。

トイレも、洗面室も、浴室の中までも、そしてリビング、和室、寝室と、どの部屋に行くのもバリアフリーです。

車椅子なら影響のない5mmや1cmの段差も、歩く時にはとても危険です。

そんな危険性を回避するために僅かな段差をも解消したのです。 

特に和室は畳の厚みの分、襖や障子の敷居のところで一段高くなっている家が多いのですが、我が家はそこの段差すら解消しています。

ですから、表の市の歩道からずっと続いて、家の中のどの部屋へ行くのにも段差はなく、例えお風呂場の中までも車椅子でそのまま入って行くことが出来ます。




その車椅子が廊下のカーブで曲がりにくいことがないように廊下の幅もかなり広く余裕を持って造りました。

廊下は車椅子がなくても、つたい歩きできるように手摺りだらけです。

これを造った時には、母はまだ元気で健康でしたが、いずれは役に立つであろうと思ってのことでした。

しかし、その母も阪神大震災の直後に認知症となり、その後急速に症状が進んで寝たきりとなってしまい、このバリアフリーを有効に利用して貰うことができませんでした。

今となっては、亡き母のあと、私たちが歳をとり動きづらくなる時までお預けの状態です。



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