感動を共有できない人もいるわけで・・・

昨日のデパートのシャンデリアの記事に関連しています。

ブログ用にみんなの後ろの方で写真を撮していた時、30歳前後の二人連れの女性が私の脇を通り抜けました。

通りすがりのそのお二人の会話です。
近くにいた人には、十分に聞こえるくらいの声のトーンで・・・
「紀香って名前が出ているだけでこの騒ぎ。滑稽ね。」
「本人がいるわけでもないのにねぇ。」
「たかがシャンデリアじゃないの。」
「これが日本人なのよね。」

え〜っと・・・

その騒ぎの中でブログ用とはいえ、写真を撮っていた者といたしまして、一言述べさせて下さい。

あのね、たしかに日本人は有名人だの、ブランドだのに大騒ぎすることは認めます。

あなたたちは、紀香がそこにいたらどうだったのでしょう。
紀香が好きでない人もいるでしょうから、みんなとは言いませんが
おそらく、足をとめてその騒ぎの中にいた可能性もあるでしょう。

今回そこに紀香はいません。そして仰るとおりそこにあったのは「たかがシャンデリアと燭台」です。

あなたたちは、芸術にご興味がおありですか? 美術館などに行かれることがありますか?



もし、あなた方が、ロシアの歴史旅行に出掛けることがあったとしたら、そしてサンクトペテルブルグを訪問することがあるとしたら・・・帝政ロシア最後の皇帝ニコライ二世がアレキサンドラ皇后のために注文したという12基の燭台をペテルブルグの宮殿で見てこようとは思われませんか?(実は10基を納めたところで第1次世界大戦とロシア革命が 勃発したため、残り2基は納品されず、現在「パリ バカラ美術館」に展示されています。)

ロシアまで行かなくても、日本の美術館などにそれと同じ燭台の美術複製品が飾ってあったら、それを見に行ったりしませんか?

今回陣内智則さんと藤原紀香さんの披露宴で使用された2基の燭台は、この皇帝ニコライ二世が1896年にパリのバカラショールームを訪問した際に注文したものと同じ燭台です。

このデパートで写真を撮っていた人たちは、少なくともミーハーで大騒ぎをしていたかもしれません。でも、私も含めて、この燭台にこのような背景があることを知ったのも事実です。

あそこで写真を撮っていた皆さんは、ロシアに行かなくても、美術館に行かなくても、陣内さん、紀香さんのおかげで、このような過去の経緯を知り、目の保養をすることができました。

ところで、この芸術性と気品に溢れた燭台にニコライ二世が胸を打たれたという事実をあなた方はご存知でしたか?

あなた方が興味のないことを、押し売りするつもりは毛頭ありません。
ただ、みんなと一緒に感動を共有する気持ちを持てない人たちなのかなと思っただけです。 いろんな人がいますので一概には言えないでしょうが・・・。

そして、あなたがたにも 「これが日本人なのよね」 なんて軽く言って貰いたくはありません。思うのは勝手ですが、それを人の前で口に出して聞こえるようには言って貰いたくありません。 それに、あなたたちも確か日本人だったと思いましたが・・・。