映画 「眉山」

さだまさし原作の小説「眉山」(びざん)が映画化されました。

さだまさし原作の映画は、第一作目の「精霊流し(しょうろうながし)」(2003年)から二作目の「解夏(げげ)」(2004年)に続き、今回の第三作目は2004年に出版されたベストセラー小説の映画化です。





タイトルの「眉山」は舞台の徳島市を抱くように隣接しており、眉のような形をしたなだらかな丘陵を持つ標高280mの山です。

東京で働く娘(松嶋菜々子)と徳島で末期ガンに立ち向かう気丈な母(宮本信子)の二人の親子愛を、母の秘密、娘の出生の秘密を巡り展開する愛と絆と葛藤の物語です。




神田育ちのチャキチャキの江戸っ子で人への弱さを見せないプライドの高い母・龍子が若かりし頃に徳島へ移り住み、眉山を自分の伴侶として生きていく経緯を過去にフィードバックさせながら伝えるとともに、父親は死んだと聞かされている娘・咲子が、母が死後に献体を望んでいることを知らされ衝撃を受ける反面、母が保管していた手紙や写真からそれが自分の父親(夏八木勲)であると直感して東京まで会いに行く娘の心境まで細やかに描写しています。




娘が心を寄せる医師(大沢たかお)との愛を織り交ぜながら、今まで聞く事が出来なかった母が自分を産んだ想いを、父が母に宛てた手紙から知ります。母の過去と、かたくななまでに人に頼らないで生きていく母の人柄を知った娘は、余命幾ばくもない母をこれが最後になるであろう阿波踊りの会場へと連れだし、そこで父との再会を果たすという涙と感動の物語です。




熱狂渦巻くクライマックスの阿波踊りは実に圧巻で、臨場感溢れるこの場面はセットの壮大さだけに終わらず、この映画のスケールを全体的に一回り大きし、ダイナミックな効果を引き出しています。


眉山: 予告編はこちら → 予告編1 . . . . 予告編2
監督:犬童一心/原作:さだまし(「眉山幻冬舎文庫)/脚本:山室有紀子
音楽:大島ミチル(オリジナルサウンドトラック=スピードスターレコーズ
主題歌:レミオロメン「蛍」(浮雲レーベル=スピードスターレコーズ
制作:「眉山」制作委員会(東宝他)/配給:東宝





画像は、映画『眉山‐びざん‐』公式サイトよりお借りしました