三大うどんの一つ 水沢うどんの清水屋

群馬県渋川駅から伊香保温泉に向かう途中に推古天皇が開基されたと言われる水沢寺通称水沢観音があります。

ご本尊十一面千手観世音菩薩が安置されているこの水沢観音の参道の両側にはうどん屋さんが沢山並んでいます。三大うどんの一つと言われる「水沢うどん」です。

水沢うどんは、麺類研究家や小説家たちの中には、讃岐うどんより水沢うどんに軍配をあげる通人たちも結構多くおられます。讃岐うどんがコシを大事にすることに対して、水沢うどんは、讃岐ほどのコシはありませんがなんとも言えない繊細さがあると言います。




水沢観音の参道から2軒目に創業400年の歴史を誇る「清水屋」さんがあります。水沢うどんのお店の中には門構えの立派なところから100台もの駐車場を完備したところまでありますが、清水屋さんは宮内庁、各宮家御用達で数多くある水沢うどん店の中でも群を抜いています。

うどんの種類はザルだけで、シャビシャビした比較的薄めのゴマだれのつけ汁で食べます。平たい半透明の麺はつややかな光沢があり、しなやかさを持ち合わせています。値段はうどんとしては少々お高く、大=1,365円、中=1,155円、小=630円で、初めての人は驚かれるでしょう。

17代目店主、大河原清一さんと以前にお目にかかる機会があり、親しくお話をさせて頂きました。水沢うどんは麺を細長く切った後、麺の表面に乾燥によるひびが入る程度に天日で半干しをする工程があり、これが水沢うどんの特徴ともお聞きしました。また、店主みずから足で踏み、手でこねる清水屋のうどんはメニューもザルの大中小の盛り3品だけに絞っており、老舗としてのこだわりを持っているようです。

うどんのほかに、舞茸のバター炒め(525円)や、山椒・ぜんまい・他の山菜の佃煮(945円)もあり、これらの原料は清水屋さんで栽培されたり、直接近くの野や山で集めて来られたものとお聞きしました。この時は、お土産にと言ってどんこの椎茸を沢山頂き、私もたまたま持ち合わせておりました丹波の黒豆煮を差し上げて参りました。




さて、さて、大変前置きが長くなりましたが、本題はここからです。

私はドサ回りで群馬方面を通ることが多いのですが、仕事先も数社あることから群馬には友人も大勢います。その中の渋川に住んでおられる友人から、今日宅配便が届きました。水沢うどんでした。

2箱入っており、その包装紙には「水沢名物手打ちうむどん」「宮内庁・各宮家御納品 始祖 清水屋」と印刷されてあり、さらに「1週間以内にご賞味下さい」とハンコが押してあります。




さらに水沢うどん登録商標の証」というマーク入りの付箋が糊で貼り付けてありました。

その登録商標の付箋には「『水沢うどん』は伝統の手法により小麦粉、塩と水沢の水だけで作られ、澱粉、米酢等の添加物を一切使用しておりません。このマークのない商品は『水沢うどん』ではありません」と添え書きがされています。

さあ、久しぶりの水沢うどんです。
早速、お昼に頂くことにしました。お店ではゴマ汁で饗されますが、贈答品にはゴマ汁ではなく、ゴマ粒と昆布と鰹節がそのまま入っています。ゴマを摺りみりんに融いてドロドロにしたものを好みの出汁にかつおを入れた汁で割って薄目のゴマ汁を自分で作ります。




う〜〜ん、久しぶりですねぇ。ある程度のコシもあり、讃岐うどんとはまた違ったしなやかな味です。このような、地方の名品を味わえる幸せって、筆舌しがたいですね。今回送って下さったTJさん、どうもありがとうございました。

もし、皆さんも群馬へ行かれ、水沢に立ち寄られる機会がありましたら、是非一度味わってみて下さい。

私がお薦めするお店は、清水屋さんです。他のお店はそれなりに美味しいのでしょうが、清水屋さんのうどんは他店とは一線を画すものがあると思います。是非ご賞味ください。




『思考回廊』野田伊助さんのサイトにお店の写真入りの記事があります。一度訪ねてみて下さい。