不都合な真実 〜 お金で買える温暖化ガス排出規制

世界規模の温暖化防止対策で二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスの排出規制が敷かれている中、二酸化炭素を排出していても排出していないことにする方法があることを知っていますか?

二酸化炭素を今までどおり排出していても、省エネはお金で買えるものなんです。

これは温暖化ガスの排出権買い取り制度を利用するというものです。先進国においては自国の自乗努力だけでは京都議定書の目標を達成することができません。そこで、削減目標のない国から権利だけを買い取り、自国の削減分として相殺換算する制度です。これは京都議定書の緩和メカニズムである京都メカニズムの中のクリーン開発メカニズム(CDM)という制度です。


昨年11月に地球温暖化防止会議がカナダで開催されました。この会議で先の1997年12月に同京都会議で国際約束をした京都議定書が正式に採択されました。これにともない排出権取引が本格始動し、ヨーロッパを皮切りに温室効果ガス排出の削減に向けて国際排出権取引市場が活発化しています。


日本の政府も企業も本格的に排出権取引市場の整備に取り組み始めました。今日の日本経済新聞には、三井住友銀行がブラジルから排出権を購入したという記事がありました。(記事:文末囲い参照)


アメリカ元副大統アル・ゴア氏が製作に携わった環境問題のドキュメンタリー映画不都合な真実」の話題がかまびすしいなか、京都議定書に同意をしなかったブッシュ率いる米国をのぞいて全世界が取り組んでいる温暖化防止対策ですが、こういう権利を売ったり買ったりする安直な方法が京都議定書の中にあること自体私には不思議でなりません。

こんな抜け穴的な制度を設けて、果たして地球の温暖化はちゃんと防止できるのでしょうか?


私たち一人一人ができる事って、地球規模からみると形にならないほど小さなことですが、60億を超える地球上の全人類が少しずつでも温暖化、省エネに注意を払うと、それこそ大きな結果につながります。京都議定書の国際約束に任せるだけではなく、みんなが少しずつ努力をしてこの地球をまもりましょう。 アル・ゴアさんの 「不都合な真実。 今、東宝系の劇場で公開されています。是非ご覧になられてはいかがですか。
 アル・ゴア 「不都合な真実」 トレーラーは こちら からどうぞ

 米国・元副大統領アル・ゴアが最新のデータを元にビジュアルに紹介する環境問題のドキュメンタリー映画です。

 1月20日から全国ロードショー
 配給:UIP映画







 .  温暖化ガス排出権ブラジルから 三井住友銀購入 (日本経済新聞
〜まず本店排出ゼロに〜
 三井住友銀行二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出量をゼロにする取り組みを始める。 まず日比谷本店(東京・千代田)で発生する温暖化ガスに見合う排出権をブラジルから購入し、計算上の排出量をゼロにする。 他の拠点で排出する温暖化ガスについても、排出権を購入して相殺する方針だ。 三井住友銀はサトウキビの搾りかすを燃料にするブラジルの発電事業に投資して、排出権を獲得した。 =2007.2.5