こんなの輸入されたら困ります・・

そもそも米モンサント社の遺伝子組換え種子を使った品種改良の大豆・とうもろこし等が日本の消費者に猛反発を受けて、これに端を発して農林水産省は、2001年28品目について遺伝子組み換え食品の表示を義務づける法律を制定しました。

しかし、今や大豆・とうもろこしの分野では、世界の主流は遺伝子組み換え品種です。
被遺伝子組み換え大豆は、そのほとんどがアメリカやブラジル、中国のごく一部の畑で細々と栽培されているだけです。雑草引きや害虫対策、収穫量からして手間のかかる被遺伝子大豆は近いうちには栽培されなくなり、遺伝子組み換え大豆に席巻される日が来るのは、もう時間の問題であると思います。



そんな中、今度は安全性が未審査の遺伝子組み換えのコメがアメリカの商業流通ルートから微量ではありますが検出されたとの米農務省からの発表がありました。
(写真左:ジャポニカ米、写真右:インディカ米)




日本で使用される主流のコメは短粒米(ジャポニカ米)で、今回見つかった未審査の遺伝子組み換えコメは長粒米(インディカ米)です。
(写真:インディカ米)



長粒米は水分が少なく、バラバラになるので、チャーハンやパエリヤなどのパサパサ感を重視したコメ料理では使用されることがありますが、日本の主食であるモチモチとした粘り気のあるご飯に使われることは先ずありません。
(写真:ジャポニカ米)


しかしながら、一部の菓子、せんべいや団子などで使われる米粉などに長粒米が含まれることがあり、厚生労働省はこの遺伝子組み換えコメが日本に輸出されることがないように在日アメリカ大使館に対して管理の徹底を要請すると同時に、国内の検疫所にも業者がアメリカの長粒米を輸入することがないように指導しています。



日本では農林省が管轄する一部の農林試験場内で外部に流出することのない徹底した管理のもと、遺伝子組み換えコメの研究がなされています。

しかし、現在日本には、遺伝子組み換えのコメに対する検査態勢がなく、今回アメリカに検査方法などに関する情報の提供を要請している始末です。

今回の問題を受けて、厚生労働省は国内の検査態勢の整備を急ぐとしていますが、コメを主食としている国としては、こういう問題は必ず発生すると想定されるわけですから、もっと早い時期に検査態勢を敷いておくべきであって、これから一からの整備ではあまりにも遅すぎ、あまりにもお粗末すぎると思います。


日経新聞の記事から(2006.8.20付)
 遺伝子組み換えのコメ、米に輸出管理徹底を要請・厚労省

 厚生労働省は19日、米国内で商業用のコメ(長粒種)から、安全性が未審査の遺伝子組み換えのコメが微量検出されたと米国政府が発表したことを受け、在日米大使館に対して、問題のコメが日本向けに輸出されないよう管理の徹底を要請した。合わせて、日本の輸入業者が米国産の長粒種を輸入することがないよう、各地の検疫所に指導を指示した。

 厚労省によると、米農務省は「食品の安全性に問題はない」としている。日本が輸入している米国産のコメは中粒種と短粒種だけだが、米粉などに長粒種が含まれている可能性があるという。

 日本には遺伝子組み換えのコメの検査態勢はなく、厚労省は米国側に検査方法などに関する情報提供を要請。国内の検査態勢整備を急ぐ。〔共同〕






(写真はイメージです) 1.ながの食農教育情報プラザさん 2.3.象印さん 4.USA-RICEさんから、それぞれお借りしました
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