聞かなかったってことにはならないだろうね

なんとも、好感の持てる記者会見でした。

サッカーのワールドカップドイツ大会1次リーグから敗退して帰国した日本サッカー協会の川渕三郎会長が、24日記者会見の席上で、『今回のW杯で契約が切れるジーコ監督の後任候補が、北京五輪の指揮も執るのか?』という質問に答えていた時、つい口が滑ってしまい、「(五輪代表)監督はあくまで反町。スーパーバイザー的な立場、総監督の立場としてオシムが、・・・???・・・オシムじゃない、次監が・・・???・・・(沈黙)・・・オシムって言っちゃったね。 弱ったね・・・ここで聞かなかったってことにはならないだろうね。 頭が整理されていなくて、つい出ちゃった。 史上最大の失言をしてしまったね。」と、現在交渉中の次期監督候補の名前をうっかりあげてしまいました。


なんとかその場を取り繕うとしても、どうにもならないその仕草が、とてもいじらしく、また可愛くも感じられ、好感度100%でした。


さて、その渦中のイビチャ・オシムとは、どんな人でしょう。

1941年に旧ユーゴスラビアボスニア・ヘルツェゴビナで生まれ、現在65歳。

1960年に出身地サラエボの「FCジェリェズニチャル」でプロデビュー、その後1964年には東京オリンピックにもユーゴ代表FWとして参加しています。

1978年に現役を引退後は、ユーゴ代表監督を経て2003年から「ジェフ市原(現ジェフ千葉)」の監督に就任。下位チームを一躍ベスト3まで引っ張り上げ、去年はナビスコ杯で優勝にまで導きました。

オシム氏のその指導力には定評があり、ジェフ千葉をあれだけ魅力あるチームに育て、更に今回の日本代表、FW巻誠一郎を育てあげた手腕は、高く評価されています。

オシム氏は、人望があつく、人の心を動かす名言が数多くあります。

そのジョークを交えた秀抜なメッセージ『オシム語録』はあまりにも有名ですが、その一つにこんなセリフがあります。

レーニンは、 「勉強して、勉強して、勉強しろ!」 と言ったが、私は選手に 「走って、走って、走れ!」 と言っている 』 

この言葉が言い表しているようにように、オシムのサッカーは、走るサッカーなのです。

ジーコの戦術を継承しながら、更に前へ前へと走るサッカーで、4年後のオシム・ジャパンを優勝圏内まで導いて貰いたいものです。







写真:ドイツから帰国し、記者会見する日本サッカー協会の川淵会長(共同通信さんよりお借りしました)