お寺からの贈り物

「○○寺さんからのお荷物です」

はて?お寺から荷物がくるなんて、何だろう?

早速あけてみると・・・

外箱の中からきれいに包装された箱が2つ

さらにあけてみると1つの箱からは色紙が15枚

もう1つの箱には色紙掛けが1つ入っていました




そして添え状がついています

「・・・本年は私事仏天の御加護により恙なく八十八回目の春を迎えさせて頂きました・・・」

私の檀那寺(菩提寺)は曹洞宗の尼寺でこの手紙の主は東堂さんでした

東堂さんとは、そのお寺のご住職のお師匠様、
つまり先代住職さんのことです

《そうか。東堂さんは米寿になられるのか・・・》


達筆の巻き紙には、東堂さんの法友のお誘いがご縁で描き始めた色紙が17〜8年のうちに沢山たまったのである檀家の方のお世話で色紙集を作られたと綴られていました

「季節に合わせてお掛け下さいますれば無上の喜びでございます」

と、まあこのような経緯で手元に届いた15枚の色紙です

今の今まで東堂さんが画を描かれることをまったく
存じ上げませんでした


古稀を過ぎてから初めて筆をとり、十数年でこれだけ質の高い画を描きあげられるなんて、なんと素晴らしい画才の持ち主なのでしょう

達磨大師の画『無心』は東堂さんの師である日展会員の先生からの寄贈品ということです

色紙の中に『般若心経』『延命十句観音経』の色紙がありました

阪神大震災の折、このお寺も大きな被害を受け、
お年を召された東堂さんは安全な場所に疎開
されたそうです


『般若心経』はその地で震災の安全を祈願して写経をした中の1枚であると聞いています

東堂さんの描かれた絵色紙12枚はどれもそれぞれに素晴らしいものでしたが、その中でも特に私が気に入った作品は《喫茶去》(きっさこ)です

「お茶でも召し上がれ」・・・日常即仏法の境地を示す禅の言葉です。(もともとは相手を叱咤する語でした)

庵主さんと尼僧さんでしょうか?日々の営みの中から
醸し出されるお二人の表情からは、なんとも穏やかで
ほのぼのとした雰囲気が伝わってきて、東堂さんの
やさしいお心がその画の情景からも伺えます

早速お電話を差し上げて米寿のお祝いを申し上げ、
この素晴らしい色紙集の御礼を申し上げた次第です

感謝 . 合掌