私たち、白紙委任したわけではないですから


小泉マジック 「郵政民営化」の影に隠したもの
この記事へのコメントを頂いたCassandraさまへ 


まずお断りしておきます。この場でキャスと熱い政治討論する気持ちははっきり言ってさらさらありませんので。キャスのコメントにご返事を入れながら・・・と解釈して下さい。



自民党マニフェストを読まれましたか?その中には全部ちゃんと書いてあります」というご意見でした。

マニフェストのスミからスミまで読んだわけではありません。しかし他党のものも含め概要は読み、比較もし、各党の大まかな方針は掴んでいるつもりです。

だからこそ、キャスが「マニフェストに全部賛成というわけではない」と言っているように、この政策案に関しては受け入れられるが、この件はねぇ・・・と言う事になるのではないでしょうか。1から10まで全てこの党の考え方に賛成ということはあり得ないでしょう。

また、基本的にはこの政策でいいけれど、細部のこの部分は自分の考えと違う、ということもあり得ます。

例えば年金の問題。自民党国民年金は切り離して、先ず厚生年金と共済を統合しようとしています。これには私は反対です。すべての年金は早急に1本化されるべきだと思います。

もう一つ例えれば、高齢者医療制度や介護医療に力を入れています。しかし少子化問題については、児童手当や出産助成金などをもっと充実すれば少子化でなくなるのではないでしょうか。その助成期間から助成額にも自民党の呈示案にはまだまだ問題があると思います。そしてその予算は高齢者に向けた巨額な予算のうちの1割でも少子化対策に廻せばかなり改善するのではないかと思います。

マニフェスト政権公約)の一つ一つを見ていくと、このように人の数だけ、それぞれの違った考え方があると思うのです。

だから一概には自民党がいいだの、民主党がいいだのとは言い切れないと思います。この政策については○○党に賛成だけれどあの政策については◇◇党の方が共鳴できるとか・・・そうなると、党名で選ぶ比例では自分の意見を100%代弁してもらえなくなってしまいます。

郵政民営化」の影に隠したものとは、テレビや街頭演説では「郵政民営化」で戦い、上述の問題やイラク派兵、憲法改正等その他の問題は、関心の薄い人は見ないであろうあの分かりにくいマニフェストに書き込んだだけで前面には出してこないようにマジックをかけたのです。キャスが「マニフェストに全て書いてある」ということについては、そのとおりです。それが小泉マジックといわれる所以です。

今回の選挙は若い世代の投票率が非常に高かったと聞いています。自民圧勝の裏には、通常は野党が使っている「改革」という言葉を小泉さんが使い、若い世代は野党が保守的に、そして小泉さんが革新的にみえたのではないでしょうか。

また、小選挙区での完勝はその候補者に票を入れたのではなく、スターへの投票、すなわち役者小泉さんへの票であったと思います。「テレビ好きほど自民支持」という調査結果もあるようです。

言い換えれば、キャスが言っている「結局・・・ちゃんとした感心がなぃという事なのではなぃでしょうか」、この言葉に尽きるでしょうね。

利権がらみのなにものでもない旧自民党の体質、業界と族議員のもたれあい、自民党の派閥、これらに対しての小泉さんの「自民党をぶっつぶす」論に、正直なところ私は賛成です。きっとぶっ壊してくれることでしょう。先ずはそこからスタートです。期待しています。そして「郵政民営化」後の次の構造改革を早急に打ち出して貰いたいものです。

それにしても、これだけの票をとってしまうと、そうは言っても傲慢さは出てくるでしょう。「郵政民営化」の影に隠したものを、この際すべて強引に押し通して可決させるという独裁政治はやめてほしいですね。そうなると、小泉政策に幻滅を感じることにもなりかねません。そしてその時、反動が必ず起こります。私たちは白紙委任したわけではないのですから。

小泉さんは来年9月の任期を終えるまでは・・・それを肝に銘じて勝利に驕ることなく民意にそって改革をやって貰いたいものです。