どうしても勝ちたかった北朝鮮戦 〜 バンザイ、 ジーコ・ジャパン

バンコクの蒸し暑さのせいもあったのでしょうか。前半ハーフタイムまでのだるい試合運び。そして何度かあったチャンスも、ボールに食らいついていく気迫がまるで見えませんでした。

反対に、どうしても3位を確保して敗者復活戦に臨みたい北朝鮮とは対称的で、この調子では下手をすると引き分けもヤバイのではと思ったのは私だけでしょうか。

しかし、後半に入ってフォワードに大黒を投入、その大黒は前半では見られなかった攻撃的な動きで他の選手を引っ張ったと思います。

そして、後半28分には稲本、大黒から、柳沢がつないでスライディングシュート。さらに44分に大黒の独走シュートでダメ押しの2点目、後半戦はまさしくスクリーンの中の各選手の活躍にクギ付けとなりました。 

90分間に凝縮されたバンコクの熱い1日が終わり、日本はドイツ杯1番乗りを果たしました。

右足骨折の小野、左太もも故障の高原直泰の2人の離脱、イエローカード累積2枚目の警告で出場停止となった中田英中村俊輔三都主の3人と、中心選手が5人もいない中で、よくもまあ頑張ってくれました。

おめでとう、ジーコ・ジャパン。 

無観客試合とはいえ、メーンスタンドには、日本の報道関係者約300人を含め、企業関係者、タイ国の招待日本人と併せて約500人、北朝鮮側も要人とタイ国の招待客で約500人、併せて1000人ほどの観客がいたそうです。

競技場の外では、熱心な日本人サポーターが100人近く集まり、鳴り物と応援歌で競技場内に届く大きな声で試合中応援を繰り返していました。

選手たちの耳にもその応援は届き、キャプテンの宮本、柳沢、大黒はインタビューの時にあの 『ニッポンッ!ニッポンッ!』 の応援の声がとても励みになったと話していました。

今回のバンコクでの放送はケーブルテレビでしか放映されておらず、この競技場の外の日本人サポーター達は試合を観ることさえも出来ないまま、別の場所でテレビを見ている人と携帯電話で連絡を取り合って、ゲームの流れをつかみながらの応援だったようです。頭が下がりますねぇ。

スパチャラサイ国立競技場での日本側招待席の最後列で流れを見守っていた、中田英や中村俊輔、三都主、松木らは試合終了と同時にみんなフィールドに降りて来たようですが、中田英だけは、最後列の席で記者のインタビューを受けていて、結局下には降りてこなかったようです。

更に選手たちが競技場からバスに乗り込んだ後も、駆けつけた日本人サポーター達に取り囲まれて20分ほど動けなかったらしいですが、選手たちが手を振ってサポーター達に応えている時、中田英だけは、1人耳にイヤホンをつけ本を開いて読書に耽っていたということです。

こんな態度はいつものことらしいのですが、試合を観ることもできなくて、それでもタイまで応援に駆けつけたサポーターの気持ちを考えると、こんな時はみんなと行動を共にして、喜びを表現して手振りサービスや笑顔サービスくらいしてもいいのではないかと、協調性のない態度にちょっとガッカリしました



一方、東京・国立競技場では無料で配られた応援用の青いプラスチック・パネルを持ったサポーター達が、競技場の巨大スクリーンに向かって声援を送り、競技場の観客席がまさしく青一色に染まりました。

北朝鮮側の観客席も確保されていたらしいのですが、北朝鮮サポーターは数人しか入っていなかったようです。

何はともあれ、この北朝鮮戦での勝利で、ドイツ杯出場の権利を世界一番乗りで射止めたこと〜今日の試合は最高に素晴らしいドイツ行きの切符獲得の日でした。

ありがとう、ジーコ・ジャパン!

そして、ごくろうさま、サポーターのみなさん!


(最初の柳沢のゴールシュートの写真は、日本サッカー協会のホームページより、また、2枚目の東京・国立競技場のサポーターの写真はニッカンスポーツよりお借りして掲載しました)