コーヒーミル と 新宿スカラ座

東京に住んでいる人には、どうってことのない話ですが、前置きとして、「新宿スカラ座」のお話を少しばかり・・・

スカラ座」って聞くと、まず 『映画館でしょう』 となりますが、元祖「スカラ座」はイタリア・ミラノが誇る由緒正しき世界的オペラ劇場であります。

そして、日本の各地に「○○スカラ座」と名前をつけた映画館が数多くありますが、新宿にも伊勢丹前に、「新宿スカラ座」という映画館があります。

しかしここで言う「新宿スカラ座」は映画館のお話ではありません。

歌舞伎町で1954年にオープン以来、半世紀もの間“新宿のオアシス”として愛され続けながらも、2002年大晦日をもって閉店してしまった蔦の絡まる名曲喫茶スカラ座」のお話です。

右の写真は、その歴史を感じさせる“椿姫”をモチーフにした「新宿スカラ座」のマッチの意匠です。


さて、この名曲喫茶「新宿スカラ座」が2003年10月、新たに新宿の小田急エース内に復活しました。

赤いイスや藤城清治さんの影絵、そして独特の炭火焙煎珈琲の味も、そのままによみがえりました。

ブレンド¥600、ストレート各¥650、ブルーマウンテンNo.1¥1000と、周りのお店から見ると、ここのコーヒーは、昔から少しばかり、高いかもしれません。

高いだけに、ブレンドであってもその都度一杯一杯ドリップし、作り置きはしません。そして店内も落ち着いたムードがたっぷりで、大人の店の雰囲気と言えるでしょう。

前置きが大変長くなりましたが、ここからが本題です。この伝統のある「新宿スカラ座」のブレンドコーヒー豆を、先日入手することができました。

我が家には、コーヒーポット、ドリッパー一式に始まって、カプチーノ用のミルクのスチーム泡立て器までついている機械式のエスプレッソコーヒーメーカーマシーンから、ポット型のイタリア製エスプレッソメーカー(4人用と6人用の2種類、写真は6人用をバラバラにしたところ)》も取りそろえているのですが、実は家でコーヒー豆を挽いたことがありません。

コーヒー豆を挽くために買った電動ミルが、あるにはあります。でもこれは、小魚や乾燥野菜等の粉砕用に家内にパチられてしまい、ニオイがつくからとコーヒー用には使わせて貰えません。

そんなわけで、「新宿スカラ座」の豆を挽くために、今回わざわざ新しいミルを買うことになりました。

今年1月から3月にかけて、倉本聰監督の 「優しい時間」 というテレビドラマで主人公の寺本聰が、喫茶店で出すコーヒーを手回しのミルでお客さんに挽かせていたのを思い出して、手動式を買うことに決めました。

お店では、そのドラマの影響もあって、手回しのコーヒーミルがブームになってすごく売れているとのお話でした。


数ある手動式ミルの中で、ちょっと変わったデザインのものがありました。よく喫茶店の表にディスプレー用においてある手動式大型回転ミルのミニチュア版です。《Kalita製:写真→》

オール鉄鋳物製で結構重く安定感もよく、インテリアとしても耐えられるかなと考え、値段は少々張りましたが、それを買うことに決めました。

結局は、「新宿スカラ座」の豆をゲットしたおかげで、かなりの出費になりましたが、さあ、これからもとを取り返さなくっちゃあね・・・ 

コーヒーいっぱい飲みましょう!