ばらまき?

解散を見送る見解を示した麻生首相は「然るべき時期に私が判断する」と記者会見で発表しました。

就任後にこんな金融恐慌が勃発したのですから、それはやむを得ないとして、100年に一度の暴風雨が起こったのだからと言い、「生活対策」と銘打って事業総額26兆9千億円にのぼる過去最大規模の追加経済対策を発表しました。

そして、「この大胆な行政改革を行った上で、3年後消費税の引き上げをお願いしたい」とも。

主なものだけでも30項目を越す追加経済対策の内容は、おおむね良好とは思いますが、その中で4人家族で6万円程度の生活支援給付金を全世帯支給すると言っています。

これは如何なものでしょうか?

ないよりはあった方がいいに決まっていますが、お金持ちも貧乏人もあまねく全世帯に支給ですよ。

いま親が国民健康保険料を払えず滞納して保険証を返還させられたために、無保険となっている子どもが3万人を超えるといいます。

やはり親が失職したりして生活費がたらなくなったために、私学に通う多くの高校生が退学を余儀なくされているといいます。

生活支援給付金は全世帯に支給するのではなく、もっと考えた支給がなされるべきだと思います。


それに高速道路の大幅引き下げ。聞くところによるとETCを搭載している車に対して期間限定で休日に東京・大阪など都市部を除く高速道路を原則1000円でどこまででも走ることが出来るようにする とか・・・。

高速道路から遠く離れたところに住んでいる人や、高速道路に縁のない人には恩恵が得られませんし、走ればそれだけガソリン代もかかります。

これも一部の人だけの特典のようなもので、トラックなどには適用されないといいますし、むしろ休日には渋滞を招く怖れもあるでしょうし、果たしてどれほどの経済効果が得られか疑問です。

温暖化対策にも逆行するのではないでしょうかね。


更には道路特定財源から1兆円を地方の実情に応じて使う仕組みにする と言っていますが、これなどムダな道路建設を規制する従来の方針に反するのではないかとも思います。やはりその使われ方に歯止めをかける必要性もあるのではないでしょうか。

また、日本人の主食であるお米ですが、そのコメの減反に協力する農家に補助金(協力金?)が支給されるそうです。

今食糧問題は大変なことになっています。海外に頼るのではなく国内にシフトしていかないと行けないと思いますが、まだ減反を推進しているのでしょうかねぇ。目先だけではなく、長い目で見て田んぼを減らしたり、農家を減らしたりすことにはマイナス面の方が多いと思うのですが・・・。


経済対策の項目を新聞などで見ていると、残念ながら医療や介護を受ける側に関する項目がほとんど見あたりませんでした。

少子高齢化社会に向けて、むしろそのあたりを充実して貰わないと今回の対策は目先だけの人気取りと言われてもしょうがないでしょう。



神戸新聞勝海舟が繰り返し口にした4文字のキーワードがあると載っていました。

「誠心誠意」「公平無私」 と言う言葉です。

麻生首相のキーワードは 「ばらまき」 でしょうか。

勝海舟はさらにこんな言葉も残しています。

「とかく小刀細工をしようとするから失敗するのだ」と。

麻生首相はばらまきではないと言っていますが、やっぱり人気取りのばらまき以外の何ものでもないでしょう。

失敗しなければいいですが・・・。