米リーマン・ブラザーズの破綻

自民党総裁に立候補した与謝野経済財政相が遊説を取り止めました。

そりゃ遊説どろこじゃないでしょうね。


病むアメリカはついに大手の証券会社、リーマン・ブラザーズ社の破綻を招きました。

米証券界4位のリーマン社はサブプライムローン低所得者層向け個人住宅融資)問題による信用力の低い住宅ローン資産の値下がりで8月末までに120億ドルを超える関連損失を計上し、株価が暴落していました。

この破綻を受けて、米NY証券取引所をはじめ、ヨーロッパもアジアも世界中の株価が全面安となり、日経平均は一時618円安をつけ、引け値は前週末比605円04銭安の1万1609円72銭で昨日の取引を終え、年初来の安値(3年2ヶ月ぶり安値水準)となりました。

英国、米国は米欧中央銀行が2度にわたり緊急資金を供給し、日本も日銀が臨時の資金供給に踏み切り、日米欧で36兆円の資金を供給して市場の動揺の収拾にあたっています。

今回のアメリカの金融危機は10年ほど前の日本を思い起こさせます。1997年の三洋証券と北海道拓殖銀行徳陽シティ銀行が破綻し、同じ年に山一証券が自主廃業をしたのを皮切りに、日本長期信用銀行日本債券信用銀行、東邦生命の破綻、そして千代田生命と協栄生命と3年ほどの間に相次ぎました。今回リーマンはアメリカ政府の救済拒絶により破綻しましたが、この米国発の金融危機が引き起こす世界の金融恐慌は、当時の日本の比ではありません。

リーマンの発行している円建て外債の残高が1950億円あります。これを保有しているのは地方銀行、大手銀行、証券会社で、損失の額が最も大きいのは新生銀行で380億円、次いで三菱東京UFJ銀行の244億円、みずほ銀行200億円、中央三井トラスト150億円、三井住友海上146億円、三井住友銀行日本生命朝日生命がそれぞれ100億円と開示の結果公表されています。

アメリカの主な証券会社はトップのゴールドマン・サックス、2位のモルガン・スタンレー、3位のメリルリンチ、そして今回破綻した4位のリーマン・ブラザース、5位にはベアー・スターンズと続きます。このうち3位のメリルリンチはバンカメ(バンク・オブ・アメリカ)に、また5位のベア・スターンズはJPモルガン・チェース銀行に救済買収されました。そして首位のゴールドマンも6-8月期の決算では前年同期比70%の減益と言い、モルガン・スタンレー(同8%減益)とともに先行きは不透明と言われています。ゴールドマンもモルガン・スタンレーも法人専業ですが、これからは、リーマンの顧客を拾い、更には経営難に陥った大型地銀に触手を伸ばし、法人だけではなく個人向け金融まで幅広く展開する可能性が多いといわれています。

今回のリーマンの破綻に端を発した金融危機が、早期に収拾がついてなんとか経済の安定が見込めるようになればいいですが、しばらくは世界的に金融不安が続き、混乱することでしょう。(タメイキ