ジェネリック医薬品は、先発薬と品質が違って当たり前

私のかかりつけの病院は、最近政府の方針であるジェネリックの薬を出しています。

ジェネリックでない先発薬にして下さいとお願いしても、その系統の後発薬品が存在する限りこの病院の系列薬局にはハナから先発薬を置いてありません。

実は、この病院で、ある飲み薬を頂いていますが、もうすでに7ヵ月になります。

私=まだ飲み続けないとダメですか?確か基準の服用期間は6ヵ月と聞いていますが・・・

医師=それは先発薬の場合です。ジェネリックは先発薬と成分からして全然違うので効き目も先発薬のようには行きませんし、信頼性もありません。私の考えとしてはもう少し続けて服用された方がいいと思います。

私=え?頂いている薬はジェネリックなんですか?知りませんでした。では今後は先発薬に変えてください。

医師=この病院では厚労省の指導に合わせて、患者の負担を減らすために後発薬に切りかえましたから先発薬は置いていません。

私=効き目が遅いんじゃ長く続けなければならないし、成分が違うのなら効かないかも知れない・・・それでは何も患者の負担の軽減にはならないじゃないですか?

医師=そうですね。厚労省の馬鹿げた政策のおかげで私たちも却って迷惑しています。処方箋は先発薬でも後発薬でもどちらでもいけるようになっていますから、別の調剤薬局で先発薬をもらうことも出来ますよ。「後発薬使用不可」と表示することもできるのでそうしましょうか? 

私=「後発薬不可」に限定すると先発薬をおいてある薬局が近くにないと後発薬すらもらえなくなり困るので、どちらでもいけるようになっているのなら、そのままでいいです。それにしても、○橋英樹が後発薬の宣伝をしていますが、彼はちゃんとスポンサーのジェネリックを使用しているんでしょうかねぇ?

医師=○橋英樹はお金持ちですから、例え宣伝しているスポンサーの薬であっても後発薬は使っていないでしょう。それよりも腹が立つことは、ジェネリックを使いなさいと指導している厚労省のお役人たちには、後発薬を使っている人は先ずいないと思いますよ。私も使っていません。


と、この医師はいとも簡単にそう言い切りました。実はこの医師――この病院に今は専属の担当医師がいなくなった診療科目の穴埋めをするために他の病院から週に2度だけ通っている客員の医師です。

すべてのお医者さんがこんなふうに思っているわけでないと信じたいですが、おそらくお医者さんでジェネリック薬を使っている人がいるかどうか――大変疑問に思いました。

結局、そこで処方箋を出してもらって、この病院の系列ではない別の調剤薬局へ行って、そこで経緯を話して先発薬を出してもらいました。

先発薬が高いのは、新薬は長年掛かって高い研究費を費やして、臨床試験を何度も繰り返し開発された医薬品です。費用は200億円近くかかります。だからこそ薬価は高くて当たり前のことなのです。ところが、その高い医薬品の特許期間が切れた後に、他の製薬メーカーがその医薬品に似せて作った成分も配合もちがう薬がジェネリック医薬品です。 ジェネリック臨床試験すら必要ないといいます。臨床試験の代わりに生物学的同等性試験(有効性・安全性が同等である)を実施するでけなので開発費用が抑制できるのです。この開発費は約1億円程度ですみます。従って、逆を言えば臨床試験をしていない後発薬の信頼性を証明する根拠は何もないということなのかもしれません。

また、処方箋に「後発薬使用不可」というそんな項目があること自体がおかしいと思いませんか? それは後発薬では効かない場合を最初から想定してのことかもしれませんね。


厚労省ジェネリックを推すのは、保険料の値上がりや個人の負担金の上昇で、患者から医療費が嵩むという不満を政府にぶつけられると困るので、それを避けるために少しでも安くあげることを目的として仕組んだトリックにしか過ぎないと思います。

いくら安くても効かない薬では却って高いものにつきます。高い薬でもいいから、信頼性のある先発薬をもらって早く治したいと私は考えます。


最後に、「先発品とジェネリック医薬品の承認申請資料の違い」を参考のために掲げておきましょう。(大原薬品HPより)
申請時の添付資料 (○=新薬 ●=ジェネリック薬)

・期限又は発見の経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○
・外国における使用状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○
・特性及び他の医薬品との比較研究 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○
・構造決定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○
・物理化学的性質等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○
・規格及び試験方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○ ●
・長期保存試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○
・苛酷試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○
・加速試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○ ●
・単回投与毒性・反復投与毒性・生殖発生毒性・
 . 変異原生・がん原生・局所刺激性・その他の毒性・・・・・・・・・○
・効力を裏付ける試験・一般薬理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○
・吸収・分布・代謝・排泄(ADME)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○
・生物学的同等性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○ ●
臨床試験成績・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○