棺おけリスト

先週,、『山のあなたに 〜徳市の恋』を観にいったばかりですが、一週間ぶりに今度は洋画を観てきました。


『最高の人生の見つけ方』 です。




この映画の原題は「THE BUCKET LIST」――「棺おけリスト」。

性格も生活も社会的背景もまったく相反する死期を目前に迎えた2人、真面目な家族思いの自動車整備工のカーター(モーガン・フリーマン)と、老いてますます盛んな大金持ちのワンマン実業家エドワード(ジャック・ニコルソン)が織りなす人生最後の物語です。


こんなお話しでした
この善良で物知りな常識人のカーターと、身勝手で大金持ちのプレイボーイ実業家エドワードが、ともに余命6ヵ月の末期ガンで病院で同室となります。

棺おけリストとは、棺おけに入る前にやりたいこと、体験したいことを書き綴るリストのことで、カーターは、病院のベッドで点滴を受けながら「知らない人に親切にする」、「絶景を見て感動する」、「涙がでるほど笑う」など、カーターらしい真面目な事を書き綴りますが、そのカーターのリストを見たエドワードは、そのリストに「世界一の美女にキスをする」、「タトゥーを入れる」、「スカイダイビングをする」、「エベレストに登る」などと勝手に書き加えます。

このまま病院のベッドの上で死を待つだけではつまらないとエドワードはカーターにリストの実行を持ちかけ、とうとうカーターは妻を置き去りにして、エドワードの自家用ジェット機で、2人の夢を叶える冒険の旅に出ることになります。

2人はスカイダイビングに挑戦し、カーレースをし、ローマで食事をして、タンザニアでライオン狩りをし、ピラミッド・タジマハール・万里の長城など世界の観光地を訪れ、リストの内容を一つずつ消していきます。

かけがえのない友情を築いていく2人ですが、あちこちで意見が食い違い衝突します。

ある日、ピラミッドの雄大な遠景を眺めながら、カーターは、天国の入り口では、天国にいくための2つの質問を受けるのだとエドワードに言います。

その一つ、「自分の人生に喜びを見つけたか?」についてはどうかと尋ねると、エドワードはしばらく考えた後、「イエス」と答えます。続いてカーターは「誰か他人の人生に喜びを与えたか?」と問いかけます。エドワードは、その質問の答えになってはいないかもしれないが・・と前置きをして別居している娘のことを語り始めます。

その後、このエドワードの娘の話をめぐって2人の友情は気まずくなり、決裂してしまいます。

棺おけリストに書いた項目を最後まで成し遂げられず、途中でやめてしまった2人を待ち受けていた現実は――。







死期をを待つ2人の世界を、コミカルに描くこの作品は、誰にも確実に訪れる死に対して、それぞれの心の中の葛藤をユーモアを交え、この極限の状態の中で、今何が一番大事なのか再確認し、心から求めるべきものは何なのかと提言しています。




シリアスな死に対して、怖れてばかりいてベッドの上で人生を終えるのは何ともむなしいことではないかと、この2大スターは私たちに語りかけているようでした。

が・・・

パンピー一般ピープル)としては、こんな大金持ちでも現れてくれない限り、こんな体験はできないでしょうし、現実問題として、末期ガンに苦しみながらこれだけの行動を起こせるか疑問です。 ましてや、余命幾ばくの身で最愛の妻を捨てて、知り合ったばかりの他人と旅に出るなんて・・・私にはちょっと出来そうにありません。

ドラマ、ドラマ・・・と思いながら、それでも死を宣告された時の意識改革だけはしておかないといけないなと感じ、映画の中の美しい世界の風景を思い出しながら帰ってまいりました。





監督は、『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』のベテラン監督ロブ・ライナーです。