こんな状況下で、北京五輪は開催できるのでしょうか?

つい先日、日本の男子マラソン・女子マラソンの6人の選手が決まりました。

ところが、海外からは、「北京五輪では自殺行為になるからマラソンは走らない」と、持病の喘息を理由に男子マラソンの皇帝、エチオピアゲブラシラシエ選手が、北京でマラソンを走るのをやめると今月10日に表明しました。

同じくイギリスのラドクリフ選手も喘息持ちなので出場しないと言います。

8月に開かれる五輪の時期は、気温30℃、湿度80%で蒸し暑く日本の梅雨と同じ気候です。

中国政府は幹線道路の通行を制限し、一部の企業の操業も工場閉鎖をして大気の改善を約束すると言っていますが、一日300万台以上の車が走る幹線道路の車の通行制限をするとなると、コース中に大渋滞が起きることになり、その渋滞中の車による更なる大気汚染が心配されています。

昨年、あるテレビ局がマラソンコースの一部の幹線道路で大気汚染の実験を行いました。

マスクを使って人の通常の呼吸と同じ状態で汚染度を調べたところ、吸入開始から10分後には漆黒と表現できるほどにそのマスクは真っ黒に変色しました。同じ装置で東京で実験してみると、わずかに判別できるくらいの色しかついていません。

このマラソンコースに使用される幹線道路は軍用道路でもあり、何百台もの戦車がパレードをしてもなんの影響もないほど硬い道路であり、逆にこれがラソンランナーの足にかかる負担は大変大きく各国の選手、コーチ陣は対策にやっきとなっているようです。

更に、ここに来て中国チベット自治区で大規模な暴動が勃発し16日にはラサ市内で少女5人を含む80人が治安部隊により射殺されたとチベット亡命政府は発表しています。

中国側はダライ・ラマ集団の政治的画策としていますが、ラサ地区以外でも甘粛、青海両省でも抗議活動のデモが繰り広げられ、更には四川省の抗議活動では8人ものデモ参加者が射殺されています。

北京五輪を控え、暴動のさらなる拡大が懸念されるなか、国際社会とりわけ欧米諸国がデモに抑制的な対応を求めているのに対し、地元当局(共産党委員会)は、安定を維持するため「人民戦争」を発令すると発表しており、中国政府は難しい対応を迫られているようです。

農薬中毒事件もいまだ解決していません。 

中国の人たちは家庭では野菜を洗剤で洗って食べていると言い、レストランでは客がマイオイルを持参すると言います。アメリカやカナダは五輪参加選手の食糧をすべて自国より持ち込んで現地の食材を一切使用しないと決めています。

また、北京五輪のオープニングセレモニーの演出を依頼されたスピルバーグ監督も、ここに来て「協力できない」と辞退したようです。

オリンピックは平和の祭典です。

こんな状態で、はたして北京五輪は開催できるのでしょうか?

日本海側では、先日ほどではないようですが、今日も中国から飛来してきた黄砂に空がどんより曇っているようです。