とほき想ひか




 晩春(おそはる)の 河畔(あぜ)の藍きを ながむれば
. . . . . . . . . . . . . . . 忘ることなき とほき想ひか 
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . −duo






晩春の河畔の土手を歩いた時に

びっしりと咲いていた

あの花の名前を

その時は知りませんでした



小さな星を拾い集めたように

無数に集まって群落をなし

ちかづいてながめると

清楚な小さい5弁の花びらは

淡く藍色に包まれ

その藍い花弁の中心には

黄色い花心が浮き上がり

まるでコンパスと定規で

かたち作られたように

どの花にも正確にありました



その花の名を後で知りました

そう、わすれな草・・・・・



あの日、ともに歩いた川縁りを

あの人は覚えているでしょうか

遠い昔の想い出を

いっぱい詰めたあの河畔に

今も一面を藍く覆って

可憐に咲いているのでしょうか