サボテンの花
『サボテンの花』・・・・・
といっても、チューリップがテーマソングを歌うあのアンチャンや小雪が登場するテレビドラマ 『一つ屋根の下』 ではありません。
宮部みゆきさんの原作をドラマ化した演劇集団キャラメルボックスが公演する音楽劇です。
久しぶりに大阪へ出かけ、キャラメルボックスの初日公演を観て参りました。
場所は大阪城公園に隣接した「シアターBRAVA」。といっても馴染みは薄いかも知れませんが、劇団四季が2005年に大阪梅田の四季劇場へ移転するまでキャッツなどを公演していたあのMBS劇場です。
東京のある小学校で、いつも物議をかもす問題クラス6年1組の生徒たちが先生や親たちと繰り広げる笑いとペーソスに溢れた物語です。
卒業研究のテーマとして「サボテンの花」の超能力を証明することを選んだ子供達が、先生たちの大反対を受けますが、子供達と一緒に定年を迎える教頭先生だけが応援をしてくれます。
子供達は、研究を進めているのかいないのか、次々と事件を起こして、ストーリーはクライマックスを迎えます。
教頭先生と8年後の再会を約束をして、子供達は成人式を迎えた後、初めてのクラス会を催します・・・。
ミュージカルではありません。音楽劇とは言っても歌や楽器はみんな素人です。、挿入曲は、ミュージシャンの清水一雄さんが担当、歌手のコング桑田さんを客演に迎え、音楽一家に育った渡邊安理さんとストリートミュージシャンの経験がある多田直人さんの3人がリードをして楽器や歌の練習をしたというお話をキャラメルボックス製作総指揮の加藤昌史さんがプログラムの中で語っておられます。
「音楽のプロの奏でる音楽」ではなくて「演技のプロが音楽のプロの全面的な協力を得て奏でる音楽」。 加藤昌史さんはプログラムのなかで、この音楽で可能性の壁を広げた役者たちの全身全霊の挑戦が客席にまで届いたでしょうかと結んでおられます。
初日であったこともあるでしょうが、役者さんたちのセリフがかなりの早口となったことが目立ちました。少し聞き取られないところがあったのは、その早口に加え役者さんどおしのセリフの「間」の取り方にも一因があるのではないかと感じました。
問題の音楽ですが、役者さん達が「音楽に対しては素人集団」ということであれば、まあまあそのけなげな努力は認められるものと思います。
辛口で申し訳ありませんが、全体を通してのストーリーは楽しめましたが、場所代に消えている分チケット代が大きく跳ね上がりすぎている感を受けました。
劇場エントランスには、このキャラメルボックスが輩出した現在活躍中の役者さんの名前が貼りだしてあり、その中には、上川隆也さんの名前もありました。
この『サボテンの花』の公演日程は次のとおりです。
大阪公演 3月1日(木)〜3月6日(火) 於シアターBRAVA
東京公演 3月14日(水)〜4月1日(日) 於シアターアプル