「杓子定規の法律なんかクソくらえ」 なんて言える粋な大臣はいませんか?

ベトナム人のブ・バン・タンさん(51)は日本に永住権を持つベトナム難民の女性と2001年2月に結婚をしました。

そして同年11月に子供二人(当時15才と14才)を連れて来日しました。タンさんは製靴会社で働いています。

長女ブ・ティ・トゥイさん(21)は来日後夜間中学に通い、今は県立湊川高校(夜間)で学んでいます。日本語とベトナム語の通訳を目指している彼女は学校でも人気者で、まじめに学ぶ姿が日本人の生徒にもよい影響を与えていると同高校の先生は言っています。

長男のブ・ベト・クンさん(20)は、夜間中学の神戸市立兵庫中学北分校に在学中ですが、「クンがいなくなったら、会社に支障がでる」とケミカルシューズ工場の社長さんに言わしめるほど、大黒柱としてまじめに働いています。

二人の子供たちは「よく働き、よく学ぶ」と、苦学しながらもまじめに働く姿は、近所でも評判です。

ところが2004年10月に、夫婦間のトラブルから身元保証人のベトナム人女性が失踪してしまいました。そのため翌年3月から在留更新ができなくなり、仮放免による滞在延長を繰り返してきました。

入管難民法では、国外退去の理由がある外国人でも、法務大臣が「特別な事情がある」と認めれば、在留を特別に許可できます。

強制送還の危機を聞いた夜間中学の教諭や勤め先の社長、職場の関係者らは、「3人に在留特別許可を」と8000人を超える署名を集め、法務大臣に提出しましたが、22日大阪入国管理局神戸支局は在留特別許可を認めない決定を出しました。

トゥイさんは、涙を流しながら学校の期末試験を受け、タンさんは「日本を離れるのが寂しくて残念ですが、みんなとても親切にしてくれて、感謝しています」。クンさんは「この年になって帰っても学校にも行けないし、向こうには仕事もない。いつまでも日本に残りたいという気持ちは変わらない」と涙を浮かべたと、新聞の記事にありました。

3人は裁判で争わずに帰国する意向で、タンさんは3月5日、子ども2人は学校の終業式が終わった後の3月末までに帰国しなければならなくなりました。出国後は強制送還扱いとなるため、3人とも5年間は日本への再入国を拒否されます。

3人の代理人を務めてきた弁護士は「3人に過失はない。母親が家を出たことだけで、強制送還となってしまうのは、あまりに気の毒」と話しています。

アメリカの場合、例外として特別に市民権を与えたり、在留許可を与えたりと、温情味溢れる采配がなされるケースがよくあります。
日本の大臣・官僚たちの頭は固く、まったく融通がききません。法律は守るもの、もし曲げたら何を言われるか分からないし、下手をすると自分の首まで危うくなると考えるのでしょう。まさしく、君子危うきに近寄らずでしょうか? 

杓子定規の法律なんかクソくらえと、鷹揚な態度で臨める大岡越前や遠山の金さんばりの粋な大臣はいないのでしょうかねぇ。





神戸新聞朝日新聞・読売新聞の記事を参考にさせて頂きました)