根尾谷 〜 薄墨桜

黄砂は夜中も降り積もり朝起きるとまたもや車は真っ白・・・いや黄砂だから真っ黄色かな・・・になっていました。

旅館の玄関横で庭の散水用の水道ホースを借り、洗車から今日の一日が始まりました。

今日の予定は、岐阜県根尾村の『薄墨桜』観賞ですが、桜の開花予想では、「つぼみ」となっていました。

『薄墨桜』は1,500余年前、26代継体天皇が幼少の頃、この地を離れるときにお手植えなられたと伝えられる桜で、その名前は、蕾の時は薄紅色、満開時には白色、そして散り際には淡墨色に、花の色が変化することに由来しています。

過去数回にわたる枯死の危機を乗り越え、国の天然
記念物にも指定されており、花の咲く頃には多くの
観光客が訪れ、車は数珠繋ぎで身動きが取れなくなる
と聞いています


そんな状況になるなら、むしろ咲いていない今の時期のほうが、観光客もおらず、さっと行けるのではないか、と取りあえず近くまで来ているので行ってみることにしました。

途中農作業に掛かる前の10人ほどのお百姓さんのグループが路端でこちらを見ていましたが、「おいおい、今度は神戸ナンバーだよ。今頃行っても桜は咲いていないのに・・・」と、おそらく冷ややかな
目でみて話題にしていたことでしょう。




それでも駐車場では規定料金を請求され、せめて開花状況に合わせてくれたらと、せこい事を考えながら車を駐めて、途中に続くお土産屋さんの客引きを振り切って、高台に上がっていきました。

分かっていたことですが、『薄墨桜』はしっかりとつぼみのままで、一輪も咲いてはいませんでしたが、売店に飾ってあった満開の写真(右)を眺め、
開花後の状態に想像を膨らませました。




そして、もうお一人、開花後を想像している人がおられました。

・・・・・絵描きさんです。

半月前から、さっぱり変わっていないと言っておられた絵描きさん、今日で3回も訪れていると言っておられましたが、その絵描きさんの桜はしっかり満開でした。




根尾村からはるか北の方を眺めると、遠く、真っ白な雪の白山が横たわっていました。

信濃の遅春はまだまだ先なのでしょうか。

帰路、道の駅「織部の里、もとす」に寄って、離宮梅やシャクヤクの苗木を買い、夕方遅く無事に帰ってきました。