せめて今夜一晩ぐらいは平穏な気持ちで桜を楽しまれては

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 今、桜が咲いています
 今後のことはどうなるかわかりませんが
 せめて、今夜一晩ぐらいは平穏な気持ちで
 桜を楽しまれてはいかがでしょうか







2時間半を超える判決理由の言い渡しを終えた後、川口裁判長は村岡兼造元長官に、このように言葉をかけました。

なんともまあ、粋ですねぇ。

起訴から1年半、裁判長から元長官へ、労をねぎらっての言葉でした。

冷たい裁判所の中で、この異例の言葉にはあたたかいものを感じました。

元長官は「長い間ありがとうございました」と答え、大粒の涙を流して号泣しました。

村岡元長官は判決後の記者会見で、無罪が告げられた瞬間の思いを 「よくもあそこまで詳しく調べてくれた。これで今までの無念さ、残念さが晴れた。つらい毎日が終わった」と語ったそうです。



「1億円ヤミ献金」〜村岡元長官無罪

事件の発端は2001年7月2日のことでした。東京のある料亭での密会から始まりました。

集まったのは、当時の日歯連会長と同連事務関係者。そして相対する人物は自民党平成研究会橋本龍太郎元総理大臣と野中広務、それに青木幹雄でした。

その場で、日歯連から橋本元総理に手渡された小切手は額面1億円。橋本はそれを野中広務に見せました。その後、遅れてやって来た青木幹雄もその小切手を確認して「ありがとうございます」と御礼を言います。

その後、この3人は、1億円もの小切手を受け取りながらも、領収書は出さず、政治資金収支報告書にも記載をせず、果ては記憶にないだの、その日の記憶だけが飛んでいるだのと宣(のたま)い、まさしく闇の中に消してしまおうとしたのです。

そしてその政治資金規正法違反(不記載)の罪を、滝川元会計責任者(57)=有罪確定=と村岡元長官が共謀して仕組んだことと、滝川に虚偽の供述を立証させ、村岡元長官に冤罪を着せたのです。

川口政明裁判長は「村岡元長官には犯罪の証明がない」として無罪を言い渡しました。検察側が立証の柱にした滝川元会計責任者の供述には「疑問点が多く到底信用できない」と退け、「元会計責任者が虚偽の供述をしたのは派閥の幹部議員や自民党全体に累が及ぶのを阻止しようとした可能性がある」と指摘しました。

検察は「貰った人はどうでもいい、その献金を不記載処理した人物が問題」と村岡元長官に禁固1年を求刑しましたが、村岡元長官が無罪の判決を受けたいま、改めて消えた1億円の行方を追及して貰いたいものです。

これは明らかに横領事件ですから・・・。



判決要旨