神戸、東灘だんじり祭り
だんじり祭り・・・地方によって、壇尻、山車、地車、楽車と呼び方が変わります。
だんじりの語源は、後醍醐天皇の孫である尹良親王が信州大河原で自害させられたのを、その子、良王親王が尾張津島天王の祭礼に紛れ、仇敵討ちをしました。その時に討たれた「台尻大隅守」を「台尻討った」と囃したて、その「台尻」という言葉が、後に訛って「だんじり」になったということです。
大阪岸和田のだんじり祭りは全国的に有名ですが、わが町東灘区にも合計31台(神戸全体で43台)あります。古いものでは天保年間に造られたものもあります。
5月3日か5日にかけて、『ああ、押した〜いっ』(もっと力を入れて押せ〜っ)というかけ声を掛けながら、独特の鐘太鼓の囃子に乗せて町中を曳き廻し、それぞれの氏神さまに宮入奉納舞をします。
写真のだんじりは東灘区御影町(弓弦羽神社8台)のだんじり祭りです。
昔は町を練り歩く時は前に長い曳き綱をつけて、それを曳くのが子供達の楽しみでした。今は子供たちが曳くことがあまりないのか、少なくとも私が見たときには、この御影地区のだんじりには1台も曳き綱がありませんでした。
屋根の上には、なぜか女性用の腰巻きをつけた踊り手(屋根方・大工方といい、頭上の障害物の除去や提灯の管理を行います)が、落下防止の命綱をつけ今にも落っこちそうになるほど身を乗り出して景気をつけて踊っています。
平均7〜8人乗りますが、多いだんじりでは、その倍の15〜6人以上乗ることもあります。
また昔は女性がだんじりの上に乗ることはありませんでしたが、最近では地区によっては数人が乗っているようです。
威勢のよいだんじり祭りに若い女性の鯔背(いなせ)な法被姿は、祭りを盛り上げ、粋な華を添えています。
本住吉神社の宮入りは5月5日の夕方5時ころから始まりますが、その奉納舞は、圧巻です。
あの何トンもある重いだんじりですが、神社の境内で猛スピードで何度も往復させたり、後輪を軸にぐるぐると廻したり、何度も斜めに持ち上げたりします。これは一見の価値があります。