当人たちが知り得ない血縁関係も・・・

イギリスで別々の両親の養子となった双子の男女が血のつながりを知らないまま結婚し、その後裁判所から無効通知を受けたというニュースがありました。

当然兄妹だと判った時点で「近親結婚」にあたるとして、婚姻を無効とされたようです。


ヨン様チェ・ジウが演じる韓国ドラマ「冬のソナタ」で主人公のカン・ジュンサンとユジンはお互いに愛し合い結婚する寸前まで近づきますが、恋敵であるサンヒョクに二人は異母兄妹であると知らされ、結婚をあきらめます。最終的には血縁関係のないことが判るのですが、これも運命のいたずらでしょう。


人工授精の歴史は1799年にイギリスで成功して以来世界に広まり、日本でも1949年に慶応大学医学部で成功しています。また体外受精の歴史は1978年にイギリスで成功して以来日本では1983年に初の体外受精による赤ちゃんが誕生しています。

不妊女性がご主人以外の他人の精子を使って人工受精を受ける(非配偶者間人工授精=AID)場合に、倫理的な面から現在は精子の提供者が公にされることはありません。


しかし、同一提供者の精子を複数の不妊女性が人工受精で提供されるケースも考えられます。

このような場合には知らない内に血のつながった兄妹で恋愛をし、結婚をする可能性も出てくるわけですよね。

これを予防する手段としては、精子の提供者を公にするか、一人の提供者から複数の人工授精を行わないようにするか、或いは人工受精で産まれた子どうしが結婚できないようにするかの方法以外、手立てはないでしょうね。

精子の提供者を公にすることとすると、今度は提供者が減ると言われています。

今回のイギリスの場合は人工受精によるものではありませんが、子供ができない家庭にとって他人の精子で子供を授かる人工受精は福音ともいえるものでしょう。

しかしながら、標題に掲げたように、その行為がもたらす罪な出来事もいつか起こりうる話であり、また既に知らない間だに現実におこっているのかも知れません。

当人たちが知り得ない近親結婚・・・そんなことを今回のニュースから憂えているduoさんであります。


 双子の男女が知らずに結婚、婚姻無効に 英国 200801/12 09:56更新 【ロンドン=木村正人】英国で別々の両親の養子となった双子の男女が血のつながりを知らないまま結婚、その後、双子と分かり裁判所から「近親結婚」にあたると婚姻を無効とされたケースが11日、英上院の審議で報告された。英BBC放送などが伝えた。

 ある上院議員が裁判官から聞いた話として紹介した。双子の詳細については明らかにされなかったが、2人は「双子とは知らなかった。お互いに避けがたい魅力を感じた」と結婚した理由を話しているという。上院議員は「近親結婚の悲劇を事前に防ぐためにも、養子となった子供たちには血のつながった親が誰なのか知る権利がある。隠しても真実はいずれ分かるのだから」と話した。

 専門家によると、双子の男女は血縁を知っていると拒絶反応を示すが、知らないとお互いに強くひかれる傾向があるという。養子縁組だけでなく、生殖医療が進む中で、子供たちに血のつながった親を知らせる方法が問題になりそうだ。