よりによってこんな寒い日に・・・
十日戎のお詣りに戎宮総本山、西宮神社へ行こう・・・・・と家を出たハズでした。
JRの駅でICOCAカードで改札を通った後「今は新快速電車が福井県の敦賀まで乗り入れているんだよね」と言う話から、いつもの悪いクセ、「言ってみるべ」と言うことになりました。
車では冬に北陸方面へ行くことはありません。
理由は雪が怖いから・・・(笑)。
神戸市内でスノータイヤは先ず無用です。そんなわけでスタッドレスタイヤも持っていません。だから冬に車で雪のあるところや道路の凍結するところへは行けません。
JR芦屋駅から新快速電車に乗りました。
京都駅を過ぎるといつもの聞き慣れた駅名ではありません。
山科・・・大津京・・・比叡山坂本・・・雄琴温泉・・・堅田・・・。
電車は琵琶湖の西を走っています。
敦賀まで行くのに、米原経由の琵琶湖線だとばかり思っていたのですが、先ず京阪神以外で電車に乗ることのない私は湖西線回りもあるとは知りませんでした。いや、こちらの方が主流で本数も多いんですね。湖西線を走る方が敦賀までの乗車時間も短いそうです。
滋賀県を北上するに連れて、窓の外はだんだん雪景色に変わってきました。写真は古いケータイで撮した近江今津駅です。
そう言えば天気予報では、今日から寒波到来と言っていましたね。よりによってこんな日に行かなくても・・・と思っても、もうここまで来たら引き返すのも馬鹿らしいし、そのまま先へ進むことにしました。
どこの駅からだったかいつの間にか電車のドアも自分でドア横のボタンを押さないと開かなくなりました。いつも阪神間で乗ってる新快速電車の変わりように不思議さを感じたものでした。
車窓の非日常の景色や無人の駅を眺めながら、こんな鈍行電車で旅するのも楽しいものです。ただ、冬とはいえ温暖な神戸にいるときの軽装のままで出掛けたのが気になりましたが・・・。(笑)
芦屋駅を2時に出発して2時間あまり、4時16分に敦賀駅に着きました。
到着直前の電車のアナウンスでは敦賀に着くホームは5番線、同じホームの反対側の3番線に福井行きの普通電車が約30分後に入ると言っています。
このまま引き返すのも「何だかなぁ」と言うことで、いつもの武生の魚料理のお店「秀亭かねろく」さんまで向かうことにしました。
車掌さんは同じホームと言っていたけれど、5番線から3番線となると線路をまたいで隣のホームだろうと思っていたのですが、当然のことながら車掌さんにマチガイはありませんでした。(笑)
実はこんな駅初めて見たのですが、同じホームの手前と後ろでホームの番線が違うのです。 これにはいささか驚きました。この3番線の後ろの方は4番線だったのです。
所変われば・・・ですよね。でもどうして同じホームで2つの違った番線名がついているのでしょうか? 謎です。(笑)
さて、30分後に敦賀に入ってきた私たちが乗ろうとしている列車は白一色に青いラインの入った一風変わった形をしています。
1車両の両端に人1人がやっと通れる細いドアが・・・。
それも手動式で自分で開けなければいけません。
乗り込むと座席も変わっています。
そうです、昔は夜汽車として活躍したであろう寝台列車でした。
こんな列車に出くわすのもローカルの旅ならではですよね。
実は、いつも肌身離さず持っているカメラなのですが忘れてきたらしくありません。当然カメラケースに入っていると思っていたのですが、腰につけたカメラケースは空。
よりによってこんな一大イベント(??)の大事な時に忘れてしまい、仕方なくケータイで数枚、車窓の風景やらこの寝台車を撮っただけで終わりました。
まったくドジを絵に描いたようです。
敦賀駅を出発してまもなく車内の蛍光灯が数十秒にわたり突然消えました。
直流と交流の変電所の切替地点だったのでしょう。
この頃には窓の外はもう雪一色。
空もだんだんと宵闇が迫って来ていました。
長い杉津トンネルを抜けて今庄、南条を経て武生駅に到着した時刻は5時18分。この頃にはもう外は真っ暗になっていました。
この駅の改札口にはイコカのIC読み取り機がありません。
「現金でお支払い下さい。証明書を発行しますのでIC取扱駅で既に記録されている入場駅の取消をして下さい」ということでした。
「かねろく」さんには前もって電話を掛けてあったので、女将さんが駅まで車で迎えに来てくれていました。
お店では越前ガニのほか、私たちが今年初めて食べる一番豪華な食事と、マスターが隠し持っているとっておきのシリアルナンバー入りのヴィンテージオーナーズカスク「山崎1994」を堪能することができました。
情緒に溢れる風景と冬の越前のご馳走を思いがけず楽しんだローカル列車の旅もここで終点です。
いっそ泊まって行こうかとも迷いましたが、着替えはもとよりお愚ちゃまリップスティックしかお化粧道具を持っていないことからこの話はあっさり却下。
帰る時には案の定、時間ギリギリになってしまい、それを想定していたかのように前もってお店のほうで帰りの電車の乗車券と特急券を買ってくれていました。促されるままに飲食代も払わずに女将さんの車に乗り込んだものですから、飲食代と切符代を車の中でお支払いする始末でした。
後ろ髪を引かれながらも、無事8時44分発の武生駅最終の特急雷鳥48号に乗って新大阪駅まで、そしてその後新快速に乗り継いで帰り着いた時はちょうど11時でした。
やっぱり特急は速いわ。(笑)
でも、あの早い時間にお別れのご挨拶もそこそこにバタバタ帰ってくるのはどうも気ぜわしく物足りないし、お店にも忙しい思いをさせることから、今後は日帰りはやめようねという結論にいたりました。
かねろくさん、また今度は泊まりがけで行かせていただきますね。美味しいごちそうと越前ガニ、それととっておきのヴィンテージウィスキー、どうもごちそうさまでした。
今朝はまた女将さんからわざわざお電話を頂きました。あの後、雪は降り続け、今日は積もっていると言っておられました。