ウォーキングの途中に・・・遊菜酒家 なかむら
事務所で座っている事が多いので、私の運動不足を案じたお愚ちゃまは、仕事を終えたあとウォーキングに行こうと私を連れ出します。
大体片道2.5kmから3.5km、往復で5kmから7km歩きます。
その5kmのコースは大体JR六甲道駅あたりで折り返すことになるのですが、おかげで六甲道界隈で食事を取る機会が増えました。
ウォーキングの途中に美味しいものを食べたりお酒を飲んだりしていては、何も運動にならないという声もチラホラ聞こえてくるのですが・・・。(笑)
さて、と・・・。
今日はこのままJR六甲道駅から電車に乗って、しばらくご無沙汰している甲子園口駅の「馳走 いち徳」さんへ行こうと決め、予約の電話を入れました。
ところが、今日は休みでもないのに留守番電話になります。
いち徳のマスターは以前 首を傷めて、その影響で手がしびれて包丁が握れなくなったことがあります。
また、再発したのでしょうか?心配です。
仕方なく、六甲道駅で食事をする事にしました。
実はもう1年くらい前から気になっているお店がありますが、お店の前まで行ってもなかな暖簾をくぐってか引き戸を開ける勇気がなかったお店があります。
表にはちゃんと献立が掲げられ値段もちゃんと書いてあるのですが・・・。
いち徳さんに似た感じの和食のお店に行きたい――
そんなことで、かねてから懸案であったこの店、「遊菜酒家 なかむら」さんに、この際思い切って行ってみることにしました。
お店の中はどんな感じなんだろうか。 何人くらいでやっているお店なんでしょう。どんなマスターだろうか。 客筋はどうか。 そしてお料理は。 肝心の魚は天然ものばかりなんでしょうか・・・。
初めてのお店に入る時ってこんな感じですよね。
おそるおそる引き戸を開けて、中に入るとマスターとお手伝いのおねえさんがカウンターの奥から「いらっしゃい〜!」と声をかけてくれました。
分厚い一枚板の真っ白く磨き抜かれた白木のカウンターは7人掛け、テーブル席が2卓、マスターと従業員のお二人で切り盛りしているお店でした。
奥のテーブル席に4人連れの、そしてカウンターの奥の端に2人連れの先客があり、私たちはカウンターの手前の端に座らせていただきました。
お酒を注文した後、「先ずはお通しをお出ししますからごゆっくりとメニューから選んで下さい」と言われました。
あれこれ眺めている内に空いている方のテーブル席にお客さんが入り、さらに予約が入ってカウンターの真ん中の空いている席に『予約席』の札を置かれ、もうお客さんは入れない状態となりました。
お店に入るのがもう少し遅い時間だったら、断られていたところでした。
お店の繁盛ぶりがよくわかります。
お通しはモズク入りのカニ酢が出てきました。
それをいただきながら先ずはお造りをお願いすることに・・・。
剣先イカ好きの私はメニューから剣イカの造りを注文し、あと一品何にしようか迷っていたら、「今日は剣先ではなくアオリなんです。いままで活きていて今まだ動いているほど活きがいいにので是非食べて見てと。
そして、もう一品は『でんすけ』を今さばいたところなのでこれを是非刺身で食べてほしいと言われました。
初めてのお店で、マスターがオススメするものにまずいものはなし、と疑わずそれをお願いする事にしました。
出てきた尺五の細長い盛り皿に『でん助穴子』と、『アオリイカ』のエンペラ、ハラ、ナンコツ、ゲソ、キモが・・・。
正真正銘活けものでないとイカの肝まで出てきません。ゲソの茶色い部分の色もまだ動いています。
でんすけもイカも美味しいです。
続いてお願いしたのは、『銀ダラの味噌漬け』。
これも、居酒屋で食べるような西京焼きではなく、とても上品な味噌漬けで、皿の盛りつけも季節感があるとても上品なものでした。
それをいただきながら、三品めを注文。『メイタガレイの唐揚げ、干し貝柱ソース添え』とやら・・・。
干し貝柱ソースってどんなん?と思いながら、姿のまま唐揚げされたカレイをポン酢ならぬこの干し貝柱ソースとやらにつけながら食べるのかな?と、このソースに期待しました。
ところが出てきたメイタガレイはこれ。茹でたマッシュポテトを台にその上に全部骨を外し身だけにしたカレイを載せ、回りに干し貝柱のソースをかけた一品でした。
これがまた美味しい。
最後に『カニ雑炊』をお願いしましたが、どれもこれもいい味つけがされています。
マスターが言うには、中国料理と、フランス料理の和食に合うところを取り入れて、天然の魚の素材を壊すことのないように味付けをしているとか。どこの料亭で修行なさったのでしょうかねぇ。ホテルでしょうか?
「今度これも食べて見て下さい」と、お隣りと後ろのお客さんが頼んだスズキのムニエル、ガーリックバターソースがけとかなんとか(忘れた)・・・をお客さんに出す前に私たちに見せてくれました。
明石の昼網の魚を中心に全体にやさしく上品な味で、最後のご飯ものも稲庭うどんをふくめて数種類用意されており、また和風ステーキなども食べられるお店でした。
こんなお店なんだったら、ためらっておらず、もっと早く来ていればよかったと思った今日の夕食でした。
マスター、ごちそうさまでした。 とても美味しく頂きました。 また寄せていただきます。