星野ジャパン、敗因は何処に・・・

アテネ5輪で4位だった時も自分たちには衝撃だったのに、3位と4位は雲泥の差があることに驚いた」。男子400メートルリレーで銅メダルに輝いた朝原宣治選手の興奮冷めやらぬ喜びの言葉です。

「申し訳ない。私に力がなかった・・・」。

力負けした星野ジャパンは、銅メダルすら逃してしまいました。

初回1番打者の荒木(中日)のホームランで始まった3位決定戦は、2回に同点とされましたが、続く3回にも青木(ヤクルト)の3ランで4対1となった時には、やっとメダルに届くかと思ったものです。

しかし、星野ジャパンの得点はここまで・・・、終わってみれば4対8で大惨敗、後味の悪さだけが残った五輪最後の野球でした。

「メダルが取れなかったら帰れない。中国に残ろうと何人かと話をしていた」と5回に2点本塁打を放ったドナルド。「ストライク・ゾーンには対応しないと」と、制球に苦しむ日本投手陣をあざ笑うかのように語るアンダーソン。

これほどの意気込みで挑むアメリカチームに対し、国際試合に慣れていない星野監督は最初から内向きでその采配にも攻撃的な姿勢が感じられませんでした。

今回の短期決戦の国際試合には、いろいろな面において今後に課題を残すことになりそうです。

その敗因はどこにあったのでしょうか?

そもそも最終選手選考間際で故障者や不調者が続出、アジア予選の時に参加していた選手たち(井畑、サブロー、和田一浩ら)が故障して出場していませんでした。

投手選考でも中盤を任せられるリリーフ陣が選ばれておらず、つなぎがうまく働きませんでした。そしてその投手陣の起用においても調子の悪い投手の使い方を間違ったことと、投手交代のタイミングが悪すぎて継投を失敗したこともあるでしょう。

それに、この国際試合は前回シーズンオフ中に調整をしてペナントレースが始まる前にやった第1回WBCの時と違ってシーズンの真っ最中であったことです。これには投手陣が国際球へ短期間に切替えがにできなかったことが考えられます。

また、ストライクゾーンの判定基準が統一されていてレベルの高い日本審判団に比べて、アマチュアの各国の球審がとるストライクゾーンがマチマチでそれに日本投手が対応しきれなかったことがあります。

更にペナントレース中であったことから国際試合に慣れるための実戦数が代表チームには極端に少なかったことです。もともと少ない練習試合なのに直前で雨で流れたこともあり、強化試合は2試合しかやれませんでした。

前日にナイトゲームの試合をした翌日に経験のない午前中の試合が行われたり、初めて経験するタイブレーク制に戸惑いもあったかもしれません。

WBCではイチローのようなチームリーダーがいましたが、今回はそのような牽引するリーダーがいなかったことも要因の一つかもしれません。もちろん、キャプテンとして宮本慎也選手はいましたが、彼は早い内から既にプレッシャーに負けていました。

アメリカは大リーガー抜きで2軍選手と大学生のアマチュア選手で戦いました。キューバはアマチュア大会の経験が豊富でした。韓国はペナントレースで国際球を使うなど国レベルの十分な準備をしてきました。

日本は全体的にハングリー精神が足りませんでした。もっと若いアマチュア選手を主体に構成した方が良かったのかも知れません。これを機に国際試合を念頭において日本独自のサイズの小さい球をやめて、韓国のように国際球に変更する時期であるかもしれません。



この五輪が空騒ぎに終わったことで、来年3月の第2回WBCの監督を星野監督は固辞するようです。王監督も体調不良を理由に断る可能性が高いようですし、となると残るは1人・・・落合監督でしょうか?






写真:毎日新聞