残念です。大変に残念です・・・

新株予約権発行の抗告を高裁も棄却しました。

ライブドアの勝利! 


こういう結果に至ったニッポン放送の失敗の第一の原因は、子会社フジテレビ
との親子関係のねじれでしょう。 アメリカでは今回のような形のM&Aは20年
前に終わっているということです。逆に今頃こんな騒ぎを起こしている日本は
アメリカに20年も遅れているということです。
もっと早い時期にこのねじれ関係を是正すべきだったとおもいます。

もう一つは、TOBの価格設定です。TOBを発表したときの時価相場よりも
低い買い付け価格を設定したために一般株主は魅力を感じなかったのです。
もちろんこれは結果論でしかありませんが、もし、TOBで高い価格設定をして
いれば、利益確定売りをする株主が増えて、フジテレビとしてはそんなに苦労
をすることもなく、過半数の株式を入手できたかもしれません。

高裁の判定で覆ることを期待していたニッポン放送側とすれば、今回の会見で
「残念です。大変にざんねんです・・・」以外の言葉は見つからないでしょう。

この判決を受けて控訴はしないと決めたニッポン放送ですが、経営トップが
変わることは必至で、これを受けて現在ニッポン放送の番組で活躍している
タレントのタモリさんをはじめ、野球解説者の江本孟紀さん、以前パーソナリ
ティを務めていた番組の再開を予定していた中島みゆきさん、それに脚本家
倉本聰さん、市川森一さんら、著名な方々が次々と降板を申し出ていると
聞きました。

その理由は堀江社長人間性に対しての好き嫌いではなく、経営者が
変わると放送に対する考え方も変わる」
からというものでした。

昨日のライブドア側の記者会見では堀江社長は、ニッポン放送の関係者を
刺激しないようにトーンを落として会見に臨んでいましたが、彼の今まで
言ってきた内容からすると、昨日の記者会見の内容は、彼の当初の目的
からは明らかに違ってきています。

確かにニッポン放送の従業員と一緒になって企業価値を高めたい」
堀江社長は言っていますが、今まで語ってきたビジョンをラジオで展開する
事は難しいと思います。昨日の会見でフジテレビの話はされませんでしたが、
彼の最終目的は、矢張りフジテレビジョン以外の何ものでもありません。

そんな中でのパーソナリティたちの降板の意思表示です。
6月の株主総会以降ニッポン放送の番組の編成が変わるようなら、それに
不満を持ったパーソナリティは、当然辞めていくことになるのは否めません。
しかし、現時点において辞めるということは、タモリさんや倉本聰さんたちが
言っている、堀江社長の好き嫌いではない」という発言と矛盾していると
思うのです。

逆の見方ををすれば、ライブドアにとってニッポン放送は、あくまでも第2
ステップへの手段であるわけで、そこのところを考えると、素人の彼がラジオ
の番組に口をはさむとは考えにくいとも考えられます。すなわち、経営者が
変わっても番組の編成自体は変わらないのではないかということです。

フジテレビの朝の番組、「とくダネ!」のキャスター小倉智昭さんが今日の
オープニングトークでお話していました。
「ラジオはテレビと違い、相手の顔は見えないが、視聴者との距離が1対1
で接しているほどに近く感じられる」
と。

パーソナリティと視聴者とのこの関係こそ、テレビにはないラジオの分野の
最たるものであると思います。

そんな中で、経営者が変わるから、或いは番組の方針が変わるだろうから
という理由で、番組の降板を口にするのは、それこそ如何なものでしょうか。
ならば、はっきりとホリエモンが嫌いだから、その経営者の下では仕事が
できないと言えばいいのではないでしょうか。